ある夫婦
結婚45周年を迎える夫婦がいる。息子、娘は独立し、2人だけの生活も10年になる。夫は71歳、妻は69歳。この2人やたらと忙しそうだ。いったい何をしているのか見てみよう。
昨年の月平均の外出回数は、2人揃って師範である楊名時健康太極拳の練習や指導で11回。そして、夫は折り紙教室に2回、東京でのクラブの会合に4回出席。
妻は、老人会の役員会や清掃ボランティアなどで3回、趣味の絵画ししゅう教室に2回、フォークダンスに3回参加している。
それ以外に、アメリカにいる娘一家訪問で約20日間も留守にし、神田と横浜での太極拳の特別研修会などで外出が増えていた。
今年になり、もっと忙しくしている。まず、夫の提案で、介護ボランティアをめざして、太極拳の介護福祉支援プログラムに出席し、健康太極拳指導士の資格を得た。実働までにはあと2回の追加研修と上級資格の取得が必要とのことである。
さらに、夫は趣味の折り紙が高じて、高齢者、幼児・学童および障害者を対象とする折り紙ボランティアグループを結成し、月3回の活動を開始した。このためクラブの会合への出席率が急降下している。
一方、妻は太極拳をもっと極めたいとして、協会副理事長の1年間の特別講座に参加している。月2回神田の協会本部まで出かけている。その上、「中国語を習わないことには、太極拳に進歩がない」として、中国語を習いはじめた。
幸い、太極拳のおかげか、2人とも大病とは無縁なので、ボランティア活動や趣味の追及という目標に向かうことができている。また子供たちの家族もそろって健康なことも幸いしているといえる。
この先、現在の活動を続けながら、今まで以上に社会への恩返しのための活動を増やすと言っている。そのためには、まず健康第一と安定した生活をできることが不可欠である。しかし、現在の政治情勢では、健康保険制度と年金制度がいつまで続くか予想もつかない。さて、2人はどうするかな。