ママさんランナーは復活するか
11月3日の東日本実業団女子駅伝で、ママさんランナー赤羽選手の走りを8カ月ぶりにテレビ放送で見た。最長の第3区、12.2㌔を区間2位の40分26秒の記録である。7位で受けたタスキを、3人抜きの4位で繋げた最後の競り合いは見応えがあった。
これだけなら、強い向かい風のなかでの力走でまずまずの記録といえよう。しかし、区間1位は38分21秒の区間新記録であり、なんと2分5秒、距離にすると約500mの大差の2位だ。さて、これで復活といえるだろうか。
今年3月、ロンドンオリピックの最後の代表選考レース、名古屋国際女子マラソンでは、その1ヵ月前の足の負傷のためか、8位と失速、代表を逃した彼女は引退するのではないかと思っていた。しかし、補欠に選ばれ、6月末までは代表選手の不慮の事故に備えるべく練習継続を義務付けられた。
が、その回復遅れで、なかなか調子が上がらなかったようだ。補欠義務明け直後の7月2日、優勝するつもりで出場した札幌ハーフマラソンではトップに1分15秒差の5位に終わった。「1キロ過ぎに崩れたフォームを中盤にやや修正できたのが収穫」と、夫の赤羽周平コーチは述べている。しかし、その5日後、所属先が主催する1万mの記録会では、33分8秒59と10年来最悪の結果となった。負傷、回復遅れによる練習不足、それと補欠というショック、さらに焦りから集中力を欠いたのではないかと想像している。
このような状況でも、来年のモスクワでの世界選手権出場を目標に掲げ、最初の選考対象レース、今月18日の横浜国際女子マラソンへの出場を決めた。そのため、8月から北海道や菅平で3回の合宿を行い、マラソン練習を重ねてきている。とすれば、3日の走りは回復途上ともいえるし、本番で最後まで続けば、2時間23分台の自己新も期待できる。こうなると、目標達成を願いながら、山下公園のゴールで彼女の復活ぶりを確認せずにはいられない。
(24・11・9)