戦後最悪 亡国の安倍内閣 その一
自民党谷垣前総裁は、民主党の失政による政権交代目前で、自身の閣僚にも裏切られ総裁選の出馬を断念した。臥薪嘗胆、安倍氏は党内閨務に励み右傾保守を纏め総裁に返り咲く。
総選挙の大きな争点はTPP交渉参加であった。民主党は交渉参加を決め党内は分裂する。安倍総裁は「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、TPP交渉参加に反対します」。を公約に選挙戦を戦った。農家をはじめ有権者は、自民党はTPPに参加しないと思い一票を投じ自民党は圧勝。
「聖域なき関税撤廃」の聖域の意味中身を封じ、「交渉参加反対」で国民を目くらましにした。TPP公式文書のどこにも「聖域」の用語はない。自動車の関税、保険等で既に米国に譲歩しているが、農産品に「聖域」の事前協議はなく全て本番の交渉だ。
TPPの大きな懸念の一つにISDS「投資家と国家の紛争解決」条項がある。これは密室交渉だが、これによると外国企業が進出国の政府から「不当な法律や規則で損害を受けた」とみなした場合、第三者機関に仲裁を申し立て、賠償金を得られる制度だ。
日本では遺伝子組み替え食品の身体への影響が読みきれないので、この技術を使った食品の表示を義務付けている。食品添加物は日本では約800種、米国では3000種使える。農薬残留基準も米国は日本の60~80倍緩い。これを不当として圧力がかかる。安倍首相は「主権を損なうISDS条項には合意しない」との見解だが、その主権の中身を米国基準に合わせて合意する心配がある。食品の安全基準が危うい。
今の日本国は、零細兼業農家が森を守り、里山を守り、水を育み、海を育てやっと「美しい日本」の風土国土を保全している。
50年100年先の展望無きTPP参加は国土の破壊だ。農業の大規模化は結構だが、過疎化した林業、農業の再生こそ、食料自給率、雇用、少子化課題を解決する国家保全の抜本対策だ。安倍内閣には美しい棚田や海岸線を守る、国民の希望が見えていない。