映画『るろうに剣心 京都大火編』
夕刻の飲み会までポカット時間が空いてしまった。それではとTOHOシネマズに来て、間もなく上映されるスクリーンのチケットを自動券売機で購入。あれ?シニア割引は1,000円だったのに消費税の便乗値上げか1,100円だった。まあ割引率の変更というのだろう。
平日の午後なのに結構な観客で、しかも全員が若い。不思議な気がしたので、帰宅後に調べてみた。観た映画『るろうに剣心 京都大火編』は8月1日に公開されて、1ヶ月で興業収入45億円、観客動員数350万人を突破し、今年公開の邦画№1だという。
原作は『週刊少年ジャンプ』に連載されたマンガで、なんと単行本28巻の販売数は約6千万部と知って、なるほど観客が多いのも、若者なのも納得した次第。
内容は観てのお楽しみだが実に面白い。主人公緋村剣心(佐藤健)をはじめ幕末明治の登場人物は実在の人物をモデルとしつつフィクション化されているので、説得力がある。悪役志々雄真実(藤原達也)にはモデルがいないと思うが、どうなんだろう。
暗殺者としてその名を轟かせた剣心が明治になって平和を願う姿は、太平洋戦争を引き起こした日本が戦争放棄の平和憲法を掲げている状況にオーバーラップするように思えた。その剣心に対して戦いを挑む志々雄真実と土方歳三をモデルにした四乃森蒼紫(伊勢谷友介)に対して、剣心は人を殺さない逆刃刀のままで対峙し続けられるのか。
これは続編の『るろうに剣心 伝説の最期編』(9月13日公開)を観ないと判らないが、想像するに日本の平和憲法は中国等の挑発に乗らずに、改定しない強い平和志向を維持するが如く、剣心もまた平和を志向するのではないだろうか。海外でも公開されているだけに『るろうに剣心 伝説の最期編』の結末は興味深い。
こうしたこととは別に、激しいアクションとスピード感は邦画にない迫力があり、これぞ大スクリーンの映画ならではだ。そしてラストに謎の男(福山雅治)の登場が続編へと導く。