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「800字文学館」

旬の野菜を楽しむ

松谷 隆

 横浜市神奈川区の面積は23.5平方㌔米、しかし耕地面積はその64%、15平方㌔米もある。現に拙宅から50米も歩けば周りは畑、畑で、年中旬の野菜を楽しめる。

 今年5月20日、久しぶりに近所の地域ケアプラザ主催の「男の料理教室」に参加した。謳い文句は「春キャベツと新玉ねぎを楽しもう」で、その上、近くに住む農家の主婦が講師で、朝どり野菜を持参というものであった。

 受講者8名、想定外の若く、活発な講師とケアプラザ職員2名、計11名で始まった。レシピは彼女の独創で、キャベツたっぷりのお好み焼きにタマネギとキャベツのサラダを作るという。材料は高齢者夫婦を想定してか、2人分。

 まず、お好み焼きのたね。薄力粉1カップに顆粒かつおだし小さじ1、水100ccを加え、とろろ芋位のとろみにまぜる。そして1㌢角に切ったキャベツ1/4個全体にからませる。これに卵4個を入れ、ざっくりまぜる。
 次はサラダ。キャベツ1/4個を食べやすい大きさにちぎり、芯は薄切りに。タマネギの半分は繊維に沿って、残りは繊維に直角に薄切り。これらに塩をふり、混ぜてしんなりするまで待つ。

 さあ、焼こう。ホットプレートを200度にし、油をひき、たねを入れる。上に紅ショウガと豚肉50㌘を並べ、5分程度置く。
 この間に、サラダを作る。キャベツとタマネギを絞り、ツナ缶半分、コショウ、酢、砂糖、マヨネーズを加え、味付けをして完成。

 いい音だ。たねに焼き色がつき、固まってきた。リズミカルにひっくり返す。押しつぶさずに、中まで火が通るのを待つ。この間が長い。もう大丈夫。ソース、マヨネーズ、かつおぶし、青のりなどお好みのトッピング、やっと完成。

 適当な大きさに切り、ぱくり。今までにない感触。まるでオムレツだ。キャベツが作った空間がなんとも言えない。全員1枚半を完食。サラダもキャベツタマネギのみずみずしさを堪能した。

 旬の野菜を楽しめ、参加費200円のもとは充分とれた。お試しあれ。

(平成27年7月9日)

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