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「800字文学館」

ラグビーワールドカップ⒉015

大泉 潤

 第8回大会が9月18日から10月31日までイングランドの13会場で行われる。世界100協会から予選を勝ち抜いた20チームが登場する。5チーム毎に、4プールに分かれ各チーム総当たり4試合合計40試合を戦い、各プール上位2チームが決勝トーナメント8試合に進む。各会場の収容人員は、9万人から1.2万人まで差がある。主催者のきめ細かい計算がうかがわれる。

 日本は、南アフリカ、スコットランド、サモア、アメリカとブライトン、グロスター、ミルトン・キーンズ、で4試合を戦う。オーストラリアと南アで指揮を執り準優勝、優勝に導いたエディ・ジョンーズを3年前からヘッドコーチに迎え、本格的に強化に励んだ。合宿は早朝からの四部練習で肉体、技術、闘志を鍛え上げた。一部の選手は、南半球へ武者修行に渡航し、スーパーリーグの強豪チームに所属し、トッププレーヤーと切磋琢磨してきた。
 今春以降の強化試合は、韓国、香港、カナダに勝ち、アメリカ、フィジー、トンガ、世界選抜に敗れ、ランキングは14位である。先日は、ランク13位のジョージアとの一戦で、最後の2分で逆転に成功した。欧州プロリーグで頑張る大男に対し、果敢な闘志が勝を呼んだ。

 ラグビーの素晴らしさは、全身の鍛えた筋肉を最高度に使うことにある。ピッチに立つ敵味方30人の選手の動きを見極め、自分の動くコース、パス、キックを決める一瞬のチャンスを生かす判断力が必要だ。フォローするコースを見極め、スピードに緩急をつけ、猛スピードで突進してくる敵にタックルし、すぐ起き上がって前進する。ゲームの帰趨は、チーム15人の協力で初めて明らかになる。ラグビー観戦では、ボールの行方を追いつつ、一人一人の選手の動きをじっくり観察することが極意だ。

 過去7回の優勝・準優勝は、南半球3か国が6回と2回で圧倒的に強い。ヨーロッパは1回と5回である。下馬評ではホームのイングランド、ランキングトップのニュージーランドが優勢である。48試合すべて熱戦が繰り広げられる期待で、ここしばらくは充実・多忙の日が続く。

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