鑑賞リーダー
世田谷美術館のボランティアで鑑賞リーダーをやっている。世田谷区には区立小学校が62校あり、4年生になると学校のプログラムの一環として世田谷美術館を訪問することになっている。そして、鑑賞リーダーは美術館スタッフと共に、児童たちが美術に親しめるよう美術館を案内する。児童数は40名くらいから200名を超えるときもあるが、一人の鑑賞リーダーが案内するのは平均5,6名である。小学校4年生は微妙な歳で、子供っぽいと感じることもあれば、随分大人だなと感じることもある。また、子供の成長は早く、年度初めと年度末でも随分違う。
美術館では企画展とミュージアムコレクション展がある。鑑賞リーダーには予め鑑賞会があり、事前に色々な勉強をする。子供たちを案内するときは、分かり易く丁寧に説明することを心掛けている。
また美術館の活動として様々な創作教室をやっており、教室での彫刻や銅版画の作り方や素材の話をすると目を輝かして聞いてくれる。彫刻の素材はクスノキが多いが、子供に樟脳の話をしても中々理解できない。木の匂いを嗅がせて感覚で覚えてもらう。
屋外には、本郷新の『わだつみの声』や佐藤助雄の『桃源』など男や女の裸体像があり、これらを見ると子供たちは騒ぐこともあり、うまく説明しなければならない。
後日、美術館経由で子供たちからお礼の手紙をもらうこともあり嬉しい。
今、世田谷美術館の企画展はエリック・カール展を開催している。エリック・カールはアメリカの絵本作家であり、展覧会では原画や習作等が展示されている。
先日も子供たちを案内した。するとみんな『はらぺこあおむし』『パパ、お月さまとって!』『だんまりこおろぎ』などの絵本をよく知っている。1967年頃からの作品なので、私は読んでいなかった。今まで鑑賞リーダーは何回もやったが、子供たちから教えられたのは初めてで新鮮な驚きだった。
帰って早速区立図書館に絵本の申し込みをした。