「2人の食卓」と「さんまる・いちまる運動」
世界の70億人のうち、約10億人が飢餓や栄養失調で苦しむ一方で、食べ過ぎの肥満者が20億人近くもいる。そんな「食の不均衡」を解消しようと活動している団体がある。10年前日本で生まれた「テーブル・フォー・ツー」(TFT)だ。趣旨に賛同した事業体の対象となる定食や食品を購入すると、その代金から20円の寄付を頂く。
拠金は、途上国に学校給食を広める資金として寄付される。20円の寄付金で給食1食が賄える。700を超える企業や学校、団体が参加し、約5300万食をアジア、アフリカに届けた。学校給食が子供に教育を受けさせるきっかけにもなる。先進国の食事や食料を、途上国の子供と分かち合うイメージが「2人の食卓」の意味だ。
「さんまる・いちまる運動」をご存知だろうか。家庭から出る生ごみの約3割はまだ食べられるし、飲食店から出る生ごみの約6割が客の食べ残した料理だという。食べられるのに捨てられる「食品ロス」は全国年間621万トン。また世界で生産された食糧の約3分の1が毎年廃棄されている。
長野県松本市は2011年から食品ロス問題に取り組み、「もったいない」の気持ちと一般廃棄物の減少を図るため、「残さず食べよう!30・10(さんまる・いちまる運動)」を始めた。
仕組みは簡単だ。開宴の乾杯後、30分は席を立たずに食事を楽しみ、お開きの10分前に、再び席に戻り残りの食事を楽しむ。
市では、飲食店、宿泊施設その他食事を提供する施設に「残さず食べよう!」認定制度を設けている。店舗は、市のホームページでの紹介、啓発グッズの活用、認定書による環境配慮店舗のアピールが期待できる。
店舗も、量より質の高級食材を使ったプラチナメニュ❘や、食べ残し持ち帰りの対応、小盛りメニュ❘の提供等の工夫が求められる。
松本市は1戸当たりの生ごみ量を、2013年に比べ2016年は約26%減少した。
自戒 冷蔵庫の賞味期限切れ食品を極力無くし、且つ食す。