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「800字文学館」

気功の「気」とは

大津 隆文

 気功の教室に通い始めてこの四月で丸六年になる。きっかけは友人から「気功をすると免疫力が高まり、健康になる」と誘われたことだ。実際この六年とくに大きな病気をしなかったのは気功のお蔭かもしれない。
 気功の「気」とは何だろうか。元気、病気、活気、気力等々、「気」の付く言葉は沢山あるが、具体的に「気」とは何か、と考えてみるとイメージがはっきりしない。教室の先生(中国人)の説明では、「気」とはエネルギーとのことだ。このエネルギーは私達の体の脊髄の中に埋蔵金のように存在しており、これをいかに活性化するかが重要とのことだ。活性化の具体的な方法としては、脊髄に意識を集中しつつ前後、左右に動かしたり、捩ったりする。練習を重ねていくと「気」が感じられ、やがては自在に操れるようになるそうだ。そうなればその「気」によって病気を治したりできるらしい。
 自分は練習熱心でもないし、「気」の存在についても半信半疑のところがあるので、その体得までには、日暮れて道遠しの感がある。しかし、週一回でも体を動かすのは気分がいいし、先生の教えで気に入っている点も二つある。
 一つは、病気は陰陽のバランスが崩れることから生ずるので、何事もバランスが大切との教えである。成る程と感ずる所があり、何が陰で何が陽かはさておき、食事は何でもおいしく食べ、言動も極端に走ることなく中庸を心がけるなど、気功的なバランスのとれた生き方を心がけたいと思っている。
 もう一つは、「気」には自分の中にある内気と、他人や自然界にある外気とがあり、この外気の受容が内気の活性化に劣らず重要との教えである。自分は高尾山によく出かけるが、リフレッシュできるのはその外気のお蔭であろう。また、人に接すると刺激を受け自分が元気になるが、これもその人から気を貰うためだろう。
「企業OBペンクラブ」には昨年八月に入会させてもらったが、会員は多士済々で「気」をひしひしと感ずる。大いに「気」を、元気をいただこうと思っている。

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