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「800字文学館」

『企業OBペンクラブ』に4年

斉藤 征雄

 入会4年にしかならないが『企業OBペンクラブ』は楽しい。 70歳で入会。ちょうど『世阿弥の能を読む』という本を上梓した直後で、漠然と75歳までにもう一冊本を書けたらいいなと考えていたので、文章を訓練できる場は魅力だった。

 そこで「何でも書こう会(800字エッセイ)」に参加した。
エッセイを書くことは初めてだったから何を書けば良いかもわからない中で、その頃仏教の勉強をしようと思っていたので、手始めに仏教に関することを書いてみた。
 案の定評判は厳しかった。「書いていることの意味がわからない」「仏教の何がわかっているというのか」などなど諸先輩から率直なご批判をいただいた。
 そのうち「エッセイ・コラム」という欄があることを知って、仏教のことは「エッセイ・コラム」で書くことにした。勉強したことを頭の整理のために自分の言葉で書いてみる「エッセイもどき」の文章なので「仏教学習ノート」と注釈をつけた。
 一方「何でも書こう会」は思いつくまま気の向くまま、自由に書いて楽しむことにした。最近エッセイの質が落ちたとお嘆きの先輩もおられるようだが、私のような者が影響しているのかもしれない。
 この4年間で「何でも書こう会」へ70篇、「エッセイ・コラム」へ50篇を投稿した。
 その後手を広げて「俳句の会」にも入り、新しく発足した「何でも読もう会」にも顔を出している。
 ご恩返しの気持ちで『悠遊』の編集委員や理事会のお手伝いも引き受けた。

  このクラブのもう一つの魅力は人との交流である。メンバーが素敵でそれぞれ個性があるから、会合の後の懇親会は実に愉快で楽しい。ときおり企画される課外活動もおもしろい。
 会社を離れた第二の人生で、こんなにも多彩で新たな人間関係を経験できるとは夢にも思っていなかった。

 クラブへの関わり方は人それぞれ。多様な関わり方の中で、それぞれが楽しく過ごす時間を共有できればいい。縛られず、自由で緩やかな雰囲気がこのクラブの魅力だから。

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