『サシスセソ』言葉と『おやじことば』
正月、温泉地に家族全員が顔を合わせた。息子はおめでたい「吉」がデザインされた純米大吟醸『結ゆい』を持参。娘も負けじと『獺祭』純米大吟醸 磨き二割三分を自慢げに出してくる。どちらの酒も年末の入手は困難らしく、有難く飲ましていただく。さすがに美味い。
美味い酒を飲むと話が弾む。箱根駅伝の予想や阪神のだらしなさ。そして話題は天皇誕生日の陛下のお言葉に及ぶ。
《皇后が、私の人生の旅に加わり、六十年という長い年月、皇室と国民の双方への献身を、真心を持って果たしてきたことを、心から労いたく思います》
「お父さん、どうなの少しはお母さんを労ってるの?」
「お母さんは子供教育に献身してきたよ。お父さんは単身赴任中で、進学には構わなかったな」
「お父さんは天皇じゃないし、必死に働くことで精一杯だった」
「まあ、それなりにやってきたから、いいんじゃないの」
家内からの言葉に助けられる。
次に娘から、女性が喜ぶ『サシスセソ』言葉を教えられる。
- サ : さすがですね→常に謙虚に相手を評価する。
- シ : 知りませんでした→知っていても相手に花を持たせる心遣い。
- ス : すごいですね→褒められると嬉しくなるもの。
- セ : センスいいですね→服装は女性が一番気にしている。
- ソ : そうですね→相手に同意する。自分の意見は抑えること。
息子は避けたい『おやじことば』に注意したらと言う。
- お : 俺はな、俺は→自己中の典型的な言葉。
- や : やめとけ→物事を否定的に捉えるのは良くない。
- じ : 自慢話→本人は満足かもしれないが、他人は聞きたくないもの。
- こ : 困った、困った→困ってないで何かしろ!
- と : とにかくだな→話を聞かずに、自分の考えで仕切ろうとする。
- ば : バカだな→相手を見下げた発言。
今さら女性に好かれたいとは思わないが、家内と娘、息子の嫁には心掛けよう。避けたい『おやじ言葉』はズシンとくる。反省しながら酒を飲む。
日頃会わない子供たちから、苦言を呈されても正月はいいもんだ。