七のマジック
「お父さん、野球で七回になるとラッキーセブンというけど、どういうこと?」
「多分先発投手が七回頃になると疲れてきて、得点するチャンスが生まれるので野球用語でそういうのだろう」
「七という数は特殊な数なのかなあ。日常会話でも七のつく単語をよく使うよね? 秋の七草とか、親の七光りとか。世界の七不思議、峠の七曲り、七夕祭、皆そうだね? 煙草のセブンスター、北斗七星、七つの海など、なんで七以外の数字をつかわないのかな?」
「北斗七星や七つの海は該当するものがあるからだろ? 七という数は十三まであるトランプの数字の真ん中で、特殊な意味があるのかもしれないよ。スロットマシンでも七が三つ並ぶと大当たりになる。音階も七音だし、虹も七色だし、一週間も七日だなあ!」
「七つ道具もいろいろあるんだね? サッカーのレフェリーの七つ道具は、時計、笛、コイン、ペン、イエローカード、レッドカード、ルールブックなんだって」
「武士の七つ道具は、具足、小刀、太刀、弓、矢、母衣、兜で、女性の身嗜み七つ道具は、はさみ、小刀、針、耳かき、毛抜き、糸巻、爪切りだといわれたんだそうだ。
カソリックでいう七つの大罪は暴食、色欲、強欲、憤怒、怠惰、傲慢、嫉妬だといわれるが、同じ大罪でもM・ガンジーのいう七つの社会的大罪は、①理念なき政治、②労働なき富、③良心なき快楽、④人格なき学識、⑤道徳なき商売、⑥人間性なき科学、⑦献身なき信仰なんだそうだ。⑦なんかはクリチャンを売り物にしている人には耳が痛いだろうな。
要するに七という数は、何事もひと揃えに纏めるのに都合の良い数字なんだ」
「そんなふうにいろいろ説明されても、話があれこれ飛んじゃって、なんだか今ひとつ割り切れないなあ」
「数字の一、三、五のように、他の数字で割り切れない数を素数と呼ぶのは知ってるよね? 七は素数そのものなので、割り切れないのは当たり前なんだよ」
「?」