難しい駅の名前
鉄道ファンの友人が、JRに新しい線が開通したといってきた。
地方では鉄道を利用する人が減って廃線になることが多い中で、新たな線が出来たのは大きなニュースだという。
新大阪から八尾市の久宝寺を結ぶ「おおさか東線」がこれである。新線の開通もさることながら、興味を引いたのは途中にある「放出」という駅名の読み方だ。(ほうしゅつ)ではない。何と(はなてん)と読むのだそうだ。
大阪近辺の人はともかく、それ以外の人にはとてもそのようには読めないだろう。この地域に湖水の放出口があったことからこの名が付いたらしい。久宝寺から中間の放出までは、すでに11年前に開通していたが、こんど更に新大阪までが開通して、およそ20kmの全線が繋がったのである。
この新線の途中には、私鉄や地下鉄と接続している駅が多くあり、沿線の住民は大いに便利になったようだ。廃線が続く中で、人口が密集している都市部とはいえ新たな路線が開通したのは、鉄道ファンでなくとも嬉しいニュースではないか。
ところで、読み方が難しい、いわゆる「難読駅」は数多くあるが、仮に一つ挙げるとすれば、「特牛」であろうか。(とくうし)ではない。山陰本線の萩と下関の間にあるこの駅は(こっとい)と読むのだ。どう見ても(とくうし)としか読めない。
ただ、この文章をパソコンで打っていて、kottoiと打ち込み変換すると、「特牛」と出てくるのを発見して驚いた。知らないのは自分だけだったのか。コットイはこの地の古い呼び名、「コトイ」に由来しているらしい。牝牛を意味する方言、コトイから来たとも、日本海に面する小さな入り江を示す「琴江」から来たともいわれている。
この特牛駅を利用する乗降客数は、1999年に一日平均105人だったのが、2017年には14人へと激減している。JRの本線の駅が廃駅になるとは思いたくないが、さてどうなるだろうか。
色々と思いを巡らせているうちに、また鉄道の旅に出かけたくなった。