PCカメラと鏡と自撮りスマホ
コロナのおかげで[書こう会]もテレワークで行うことになった。カメラつきの新しいPCに買い替え、勇んで臨む。発言しようと右手を上げたが、画面を見ると左手を上げているではないか。ウウーン?
背後を見るとやはり左右逆! 顔や身体はほぼ左右対称なので、参加前に映った自分の顔では気がつかなかったが、いつも鏡で見ている己の姿と何か勝手が違う。PCのカメラがこちらを向いて撮っているので当たり前と納得しかかるが,どうもスッキリしない。鏡に映る像は左右が逆になることに慣れているせいか。
以前に抱いていた「鏡で上下が逆に見えないのは何故?」との疑問が取りとめなく再燃する。
横向きの姿勢で鏡を見ると、鏡像もそのまま回転するので、地球と直接には関係なさそう。尤も宇宙遊泳しながら鏡を見ると如何なるのだろうか。眼球レンズに上下左右を区別する機能がついているのかな。それとも脳内に視覚データを適宜うまく処理するアルゴリズムが組み込まれているせいか。
ではスマホで自撮りした場合もPCと同じだろうか。今までしげしげと自分の顔をスマホで見たことはなかった。改めてよく見ると鏡と同じく左右が反転している。だから若い女性がコンパクトの鏡がわりにスマホを使う訳だ。仰向きの姿勢でスマホを上にかざし、角度を色々変えて映像をのぞき込むが鏡の場合と変わらない。スマホの自撮りレンズはPCカメラと同じように、こちらを向いているのに。たしかに印刷するとレンズ側から見た正常な写真になる。
この身近で素朴な疑問を自身で解き明かし、エッセイに書くつもりだったが、その提出期限が迫ってきた。現代の数学界では対称性(シンメトリー)を扱う群論が主要な一分野との話をきく。インターネットを開くと、「鏡の上下問題」はギリシャ時代から人類が抱き続けている疑問の一つとの記述もある。難問なのだ。
だがスマホの賢い開発者はその答を知っているに違いない。降参します、教えて下さい!