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「800字文学館」

福岡ソフトバンク・ホークス 優勝!

大平 忠

 福岡ソフトバンク・ホークスが優勝した。優勝が決まった翌朝早くコンビニへ出かけて「西日本スポーツ」を買った。当地では、ソフトバンクが勝った翌日は、「西ポ」が売り切れで買えないことが再三ある。
 四年半前に福岡へ移り住んで嬉しかったのは、三年連続日本シリーズに勝ったことだ。昨年は、宿敵巨人に四勝一分けとぶっちぎりだった。

 私の福岡びいきは、昭和二十六年に遡る。それまでは熱狂的な巨人ファンだった。ところが、昭和二十四年巨人が優勝した時の三原監督が、翌年解任され、シベリアから帰国した水原に代わった。これが子供心におかしいではないかと思い、アンチ巨人になってしまった。今でもセントラルリーグはアンチ巨人が続いている。

 昭和二十六年に、三原監督が福岡の西鉄ライオンズの監督になった。私はすぐ西鉄ライオンズのファンとなり、以後ダイエーホークス、ソフトバンクホークスとなっても、福岡のチームを応援してきた。
 西鉄ライオンズの黄金時代は素晴らしかった。プロ野球を観てきて、あんなに楽しく興奮した時代はない。昭和三十一年から日本シリーズに三連覇した。それも巨人を打倒してである。あの時代の西鉄ライオンズは、野武士球団と言われ、魅力ある選手がゴロゴロいた。朝まで酒を飲み試合ではホームランを打った大下、セカンドライナーかと思うと、そのままライナーでスタンドに飛び込んだ中西、野性味あふれ最初はエラーばかりした豊田(実は緻密な男だった)ほか、関口、河野、高倉、仰木などなど、玄人好みの選手が揃っていた。

 また日本シリーズでの勝ち方が劇的だった。昭和三十二年の四連勝、昭和三十三年の三連敗の後の四連勝は、神様仏様稲尾様の名文句を生んだ。福岡では、今でも語り草になっている。若い世代に思い出話をすると、羨ましそうな顔をする。

 私は、昭和六十二年から六年黒崎で勤務したが。残念、その間に優勝したのは一回だけだった。今また黄金時代を迎え幸せである。

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