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エッセイ・コラム 芸術・芸能・音楽

美術の初夏

三宅 劭

 5月26日から国立新美術館での「オルセー美術館展」が始まり、4月6日から三菱一号館美術館で開催中の「マネとモダン・パリ」、六本木ヒルズ森タワーの森美術館での「ボストン美術館展」、新宿の損保ジャパン東郷青児美術館での「ユトリロ展」と現在都内では有名美術館からの絵画展が目白押しです。

 オルセー美術館は過去6- 7回も現地でゆっくり見ているので、東京で見に行く予定はありませんが、他の3館は本日までに見て回りました。オルセー美術館から第一級の絵画がこんなに沢山来るのは今後もないでしょうが、今年は建物の改修費捻出のためいくつかの信頼のおける美術館に大量の絵画を貸し出しているので、三菱一号館美術館のような全く所蔵する美術品を持たない新しい美術館にオルセー美術館とパリ国会図書館から沢山のマネの作品が来ています。

 森美術館でのボストン美術館展には有名画家の作品が80点程来ていますが第一級の作品は少ないようでしたが、三菱第一号美術館に展示されているマネの作品は良いものが沢山来ており、見応えのある美術展です。丸の内の一等地に4尾階建てという贅沢な新しい建物で、丸の内ブリックスクエアと呼ばれる一角には広い中庭に緑が多くここが丸の内とは信じられない雰囲気です。しかし1ヶ月前にできた美術館そのものは廊下も部屋も狭く非常に窮屈な感じで残念です。

 森美術館のある森タワーも三菱第一号美術館のある丸の内ブリックスクエアにも何十軒もの手頃なレストランがあり世界の大都市でも例のない位楽しい場所です。

 昨夜、日経ホールで聴いたワルシャワ音楽大学教授(2010年10月からは東京芸大の客員教授の予定)エヴァ・ポブウォツカ女史のショパン&シューマン生誕周年記念ピアノリサイタルは素晴らしい演奏会でしたが、1年前にできたこの一角の日経ビル・経団連ビル・JAビルなどを見ると東京の中心部は、完備された地下鉄網とともに世界の首都の中でも最も機能的だと思います。

2010年5月28日

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