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エッセイ・コラム 日常生活雑感

山ガール

金京 法一

 最近テレビなどで山ガールという言葉がよく登場する。山に登る若い女性のことであるが、それなりの特徴があるらしい。これまで東京の高尾山程度の低山の場合、登山客のいでたちは、本格的な登山装備の中高年か、ジーパンにスニーカーといった若者が中心であったが、そこに華やかな身なりの山ガールが登場したのである。

 華やかといっても、靴やザックは2,000メーター級の山を一二泊で行くくらいの本格的なものを選び、ウエアーだけは派手なものを着けている。カラフルなタイツにミニスカートやショートパンツといった具合で、原宿あたりを闊歩する女性と変わらない。山もファッションの舞台なのである。

 さらに観察すると彼女らには山の楽しみ方に独特のパターンがあるらしい。大人数ではやってこない。単独か数人の同性連れである。静かな大人の山登りを楽しんでいるようである。

 大勢でワイワイ騒ぎながら山道を歩いたり、食事時に車座になってビールや酒を飲んで大声を上げるのは山のマナー違反である。派手な身なりながら品位のある行動の山ガールの登場で、山の雰囲気が少しでも良くなるのを期待したい。

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