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エッセイ・コラム

喜寿の引越し その日に動いた通信・電波機器

大平 忠

 今回の横浜から福岡への引越しで助かったのは、通信・電波機器の引越し作業がスムースだったことである。一つの理由として、福岡ではその種の製品を一括してプロバイダーのJ-COMが面倒をみてくれたことがある。テレビ、電話、携帯、パソコンの切断と再開が手際よく、困るということがなかった。
 J-COMは今度住むマンション全体の電波環境を取り仕切っている。3月16日の午後、福岡のマンションに家財が搬入されることが決まると、搬入が終わる夕方に作業すると連絡があった。その通り、当日、テレビ、パソコン、固定電話は、家財搬入日の夕方には、即使用可能となった。携帯だけはドコモをそのまま使っていたが、その後、ドコモからauに変えて、我家の電波はオールauとau系列のJ-COMで統一された。パソコンのメールアドレスもプロバイダーを乗り換えたが、従来通り使用できたので、煩わしいアドレス変更通知の手間が省け、大いに助かった。
 一つびっくりしたのはNTTの対応である。NTT西日本の引越し専門ダイヤル116に電話すると、固定電話はNTTが引き受けるよりもJ-COMさんが入っているならそちらにお願いした方がお安くなりますと言われた。NTTのお客様サービスには感心した。いやまて、NTTは実質損をしていない仕組みになっているのではないかと勘ぐったりもしたのだが。
 さらに感心したのは、作業者の誰もが、小型のPADを持参しており、その場で契約書や領収書をプリントアウトしてしまう。こちらも画面にサインするとそれが契約書のサインとなって印刷されてくる。これはどの会社もどの作業でも、みな同じようなプリンターつきPADを持っていた。聞くと、これがないと仕事になりませんと言う。引越し業者の作業もIT化がここまで進んでいるとは知らなかった。即日取り付け、即稼働が可能なことにも納得がいく。工事作業者が事務処理も同時に行う訳だから生産性はすこぶる向上している。
 ビジネスの第一線から退いて10数年、あらゆる分野で世の中は仕事の仕方が大きく変化しているようだ。IT化の威力はたいしたものと感服した。

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