無電柱化が見えてきた!
7月の都知事選挙で我が家の票は割れました。連れ合いは民進党などが推す鳥越さんに一票を投じたのに対して、ご隠居が選んだのは自民党の推挙を得られなかった小池百合子さん。同女史が掲げた政策の中に魅力ある東京の街づくりがあり、その核には年来女史が音頭を取られてきた無電柱化の推進があることを知っていたからです。
同女史は自民党の推す候補者も蹴落とし、圧倒的大差で勝利を収めると、8月6日の定例記者会見で、そのことをいち早く言明して、ご隠居の期待を裏切らない出足を示しました。
曰く、「国交省、経産省ほか関連の省庁で、(無電柱化するために)どれぐらい深く埋めなければならないかという実験をいたしました。そうすると、これでまで80センチの深さだったのが25センチでいいという話になりまして、かつ、電線と通信線と離さなければならないといっていたんですが、これも一緒でもいいと。まあ管を通せばということなんですが。…ということで、かなりコスト削減ができるという話になります。それによって、工事期間が短縮されるという話にもなります」「これほど何も手つかずであった分野がない。それからここのイノベーションを図ることによって、町がきれいになって付加価値がつく。これからオリンピック・パラリンピックでもっと多くの海外のお客がこられる。スカイツリーを見ようとしても、(視界に)全部、(電線の)横線が入っちゃうんですね。というような話で、(無電柱化は)きれいな町になり、かつ防災の意味でもそれに資するという風に思っております……」。
日本国内には3550万の電柱があり、それは桜の木の数と同じで、かつ毎年7万本増えているという。それらに電線・通信線が何本も醜く絡みつく。世界に誇る我が国の景勝を汚すだけでなく、大災害では救助の妨げになるし、日常的にも安全な歩行を阻害しているのです。
ご参考までに、海外の主な首都の無電柱化率を比較すると、東京7%、ニューヨーク83%、シンガポール93%、パリ・ロンドン・ベルリン・香港100%。悲しいではありませんか。
ご隠居は、小池さんもリーダーの一人として主導している無電柱化(電柱と電線の地下化)運動に共鳴、「景観革命 ~おしゃれ感覚で景観を創りませんか?」などと題して、機会が与えられれば、各地で講演してきました。景観の保護・保全は、自然環境の維持・改善にもつながります。観光産業の推進に繋がることも間違いないでしょう。
100年余り前、英国で始まったナショナルトラストも現地で体験し、四半世紀前に日本で同じ運動が組織化されると、微々たるものですが、活動に参加してきました。
無電柱化はご隠居の人生のささやかな夢です。小池知事の健闘を見守り、2000年の東京五輪では、生まれ変わった首都を見たいものだ、と傘寿を目の前にしたご隠居は呟いています。