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エッセイ・コラム

非韓三原則

森田 晃司

 朝鮮半島が騒がしくなっています。南の韓国では朴大統領が弾劾されて失脚、4月には新大統領が選出される予定ですが、誰がなるにせよ、反日親北政権の誕生は必至と伝えられています。2015年12月の慰安婦問題に関する日韓両政府の合意について、当時から“当事者能力の欠如した政府を相手に「不可逆的な解決」などの言質がいかほどの重みを持つのか”と懸念していたとおり、「不可逆的な解決」などは瞬く間に消し飛んでしまいました。
 韓国経済はGDPの7割を少数の財閥グループが占めるというゆがんだものです。その中でも大きな比重を占めるサムスングループのトップが、大統領への収賄容疑で逮捕され、経済も混乱を極めています。民衆が騒げば政府中枢も司法もこれに迎合する状態で統治能力のない国家であることを露呈しています。
 北は北で、核やミサイルの実験を繰り返す瀬戸際外交を展開しつつ、親族や有力者を処刑する蛮行を続けています。更に金正恩第一書記の兄を他国の空港で殺害したと伝えられ、常軌を逸した振る舞いが続いています。
 古来、日本は自国の安全の為には朝鮮半島の安定が必要と考え、半島の統治に関わっては失敗を繰り返してきました。
 1910-1945年の間は韓国を併合しました。この間、搾取することなく、韓国内歳入の2倍もの支援金を投じてまで、インフラ整備、農業、産業の振興に努めました。アジアの最貧国だった半島は急速な経済成長を遂げ、医療・衛生も大きく改善し人口は2.6倍に伸長し、小学校は100校弱から5200校まで急増しています。この35年間がなければ韓国の近代化はあり得ませんでした。戦後も日本人は韓国によかれと関わり続け、しかし、裏切られ続けてきました。
 古田博司筑波大学教授は韓国研究の大家ですが、長年の研究と体験から「教えず、助けず、関わらず」と云う非韓三原則を提唱されています。
 韓国と云い、北朝鮮と云い、世にも不思議な国が、特殊な民族性の故か、存続しています。しかし、同時に、半島の混乱・混迷を歓迎する勢力が存在している筈です。日本のマスコミは連日興味本位の報道を繰り返す、相変わらずの低調ぶりですが、こうした報道に惑わされずに、実情を賢く認識し、防備を固め、非韓三原則を堅持することが、日本の当面の策と言えそうです。

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