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エッセイ・コラム

スイスとウィリアム・テルに学ぶ(3)

安藤 英千代

 ウィリアム・テルは、まさにスイス国民の象徴として五世紀に亘り尊敬され愛されてきました。しかし実は日本にも、ウィリアム・テルに匹敵する実在の国民的英雄が沢山いますが、残念ながら私達は関心を向けず軽視しています。

  • 平安時代に和の政治を定着させ、中国に対等宣言した聖徳太子
  • 二度の元寇襲来を撃退した北条時宗
  • 天皇の為、義のために、必敗の戦いに命を掛けた楠木正成親子
  • 戦国時代を終焉させた織田信長・豊臣秀吉・徳川家康
  • 江戸中期、財政破綻の米沢藩を建直し、ケネディから尊敬された上杉鷹山
  • 幕末の混乱から近代日本に導いた吉田松陰・高杉晋作・坂本竜馬・西郷隆盛
  • 圧倒的軍事力劣勢の日露戦争を勝利に導いた山本権兵衛・児玉源太郎
  • 三倍以上の圧倒的なロシア艦隊を全滅させた東郷平八郎・秋山真之
  • 『自分はどうなってもよい、日本国民を救ってくれ』 と訴え、米占領軍司令官 マッカーサー元帥を驚かせた昭和天皇

 等々・・・まだまだ沢山の英雄・偉人が存在します。
 しかし私達は、オリンピックで日本人の活躍に熱狂することはあっても、日本人が誇りとすべき偉人・英雄に殆ど関心を持ちません。司馬遼太郎氏は、こういう日本に危機感を抱き、歴史的偉人を題材に書き続け、次のように警鐘を鳴らしました。
 『国民が自国の歴史や文化への誇りや関心を失った時に国は滅ぶ』
 GHQは日本人の精神・歴史を粉砕すべく洗脳支配しましたが、私達は敗戦後70年を経過しても自虐史観を払拭できず、誇りや求心力を失って混迷を深めています。その挟撃を縫って近隣諸国が尖閣列島・竹島・北方領土強奪を狙い、日本の政治・経済・精神の荒廃を画策しています。
 私達はいまこそ、日本の歴史を勉強し直し、しっかりした人生観・国家観・世界観を持ち、日本人としての誇りを取り戻す時ではないでしょうか?そのためには、まず家庭や学校や地域社会で、生き生きとした歴史教育、偉人伝等をしっかり教え、学ぶ事が大事だと思います。

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