加計学園問題と報道の自由
文部科学省は8月25日、加計学園の獣医学部設置の認可を保留すると発表しました。四国を含む西日本では感染症の予防などに当たるべき獣医が不足する深刻な事態と云われているのに、仮にこのまま認可されないとすれば、誰が喜ぶのでしょうか。
「放送法遵守を求める視聴者の会」は、作家の百田尚樹氏を会長とする民間団体ですが、先日、読売、産経両紙に、7月10日の加計学園問題を巡る閉会中の国会審議に関する意見広告を掲載しています。
それによると、テレビ各局は10日から11日までにこの問題を計30番組で合わせて8時間36分23秒間にわたって報じたものの、その内訳には極端な偏りがありました。国会に招かれた参考人の内、「首相官邸によって行政がゆがめられた」と主張するものの、中身はあいまいで抽象的な前川喜平・前文部科学事務次官の発言については、計2時間33分46秒にわたり取り上げる一方、獣医学部新設の必要性を理路整然と、しかも熱く、語る加戸守行・前愛媛県知事の発言はわずか計6分1秒、岩盤規制改革のプロセスを明快に説明する原英史・国家戦略特区ワーキンググループ委員の発言はたったの計2分35秒しか放送していないそうです。
民間放送と云うのは格安で公共の電波を寡占する特権を享受する代わりに、放送法第4条により、政治的に公正なこと、事実に基づくこと、意見の対立する問題は多くの論点から問題を明らかにすることなどの責務を負っていますが、その放送法の基本的な約束ごとを全く無視した態度です。
更に残念なことは、真実に迫り、事実を報じようとの基本姿勢を放棄し、自らの独善的な目的の為に(今回は憲法改正を目指す安倍内閣打倒が標的らしい)、実態のない疑惑を膨らませてみせると云う“報道の自由”の歯止めのない濫用により、報道機関の尊厳をかってないほどまでに自ら貶めてしまったことです。
おれおれ詐欺は日本特有の犯罪だそうで、日本人は、恐らくは、世界一騙されやすい民族です。縄文時代以来四囲を海に囲まれ、平和に豊かに暮らしてきた国民の特性です。「騙すより、騙されろ」と云う日本の教えは美徳の鏡です。
しかし、国際社会では通用しない教えです。反日教育を施し、日本を貶めるネガティブキャンペーンを繰り返す隣国に取り囲まれた今日、日本の文化と安全を守り抜くには、騙されない心の準備が必要です。
メディアの“政権交代“の掛け声で誕生した民主党政権でこりごりしたのはついこの間です。偏向したメディアの“報道”と云う名の洗脳には、もう騙されないという決意が我々視聴者の側にも必要です。