言志四録(佐藤一斎)に学ぶ(その1)
西郷隆盛が愛読した「言志四録」全1133条の中から私が選んだ、若者に大事にしてほしい9条を紹介します。
1.永遠の若さ・知力意欲を維持する
少年時代に学べば、壮年に役立ち何事かを成し遂げる。壮年期に学べば、老人になってからも衰えることはない。老年期になって学べば、世の中の役に立ち、死後もその名は残る。
2.暗闇でも迷わない生き方
人生は、「暗夜道を一つの提灯を提げて行くようなもの」である。唯一の灯火(信念)を信頼し進めば、どんなに暗くても心配はない。
3.知識を血肉にする方法
書物は無目的に乱読せず、必ず正しく選択し熟読すること。大事な事は、読んで得た知識を生涯にわたって活用すること。
4.知行合一の実践
心の役割は『思うこと、その思いを実行する工夫する事』である。思いを集中すると、その事が益々明確化、真剣に取組むようになる。
5.心の5悪の克服
①心がざわついて落着かないと、行動を誤ってしまう。
②心がたるんでいると、物の見方が浮ついてくる。
③心に不満があると、気力が萎え、いじけてくる。
④心が空ろになれば、顔形までだらしなくなる。
⑤心が驕ると、顔色が傲慢になってくる。
6.いつでも気分良く仕事をする方法
人と共に仕事をする時、人に楽な仕事を、自分は難儀な仕事を担当する事。仕事は苦しくとも気分は爽快だ。自分が楽な仕事を担当し、人に面倒な仕事を回せば、楽ができるが気分が優れることはない。
7.リーダーが学ぶべき3つの徳
人の長たる者が学ぶべきことは、「智・仁・勇」である。「智者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は恐れず」で生きれば、生涯道を誤らず、驚天動の事業も成遂げ、後輩の立派な手本となる。
8.天に仕える気持ちで行動する
物事は如何なる場合も全て天に仕えるような気持ちで行う事が大事である。他人の目を意識して行動してはならない。
9.常に人の長所に注目
人に接する時は、長所を見るように努め、短所を探し出してはならない。短所を見ると優越感を覚え驕りが生じ自分の為にならない。反対に長所を発見すれば、自らの短所が自覚でき成長の糧となる。