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何でも読もう会

『古代への情熱』 シュリーマン

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本の紹介

トロイの遺跡発掘で有名な作者の生立ちと発掘の物語。
生立ちから商業で大成功するまでの部分は作者自らの筆、各地遺跡の発掘の模様から
イタリアで客死するまでは別人の手で書かれている。
メインの発掘場面は、
➀イタカ~トロイ旅行 ②トロイ1回目 ③ミケネ ④トロイ
2回目
⑤ティリンス に分かれる。

読後感想、討論

前半の自伝部分は迫力ある筆致だと大方の賛同。
特に、幼児期の不可思議伝説を信じられた精神の特徴がホメロスの詩をも信じる事
につながった流れは面白いとの有力意見。
小さい頃から語学への異常な執着心と勉強に感銘との声も。

一方で、
➀ホメロスの素養がない日本の一般読者には十分入り込めないとの意見
②翻訳がヘタクソとの厳しい意見も。

後半はトロイやミケネ、ティリンスなど各地での発掘の苦労話、自己顕示欲の強い作者と考古学会との軋轢、各国政府との交渉の難しさなど。

内容は豊富だがコンパクトにまとめたためか消化しきれなかった憾み。

各論では、
➀乱暴な発掘方法に驚いた、しかし、乱暴にやったから下層部のトロイまでいきついた、の肯定論と否定論が。
②ホメロスの詩から遺跡は海に近いはずと考えたのは良い勘
③ミケネ文明とその後のギリシャ文明との対比
④片腕となる設計学者の登場でなった落ち着いた
など様々な意見感想。

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