『珠玉』開高健
本の紹介
- 開高健の絶筆作品。作者没(1989年、58才)の翌年発表
- 青、赤、白の3つの宝石をきっかけに展開される3つの物語。相互は直接のつながりはない。
- 前回取り上げた『阿弥陀堂だより』の中で主人公たちが賞賛しているので、当会でも読むことにした。
読後感想・議論
- 『阿弥陀堂だより』の中では、作品の筆が進まないで苦労する主人公たちの希望の灯として『珠玉』が登場する。
『珠玉』の中でそれらしい部分もあるが、「阿弥陀堂」の主人公たち(=作者)が感動するほどのものか、という声が多かった。 - 第1編(青)は短編としてはそれなりにまとまり、印象に残る。
第2編(赤)は冗長、赤だからとてベトナム戦争の血を出すことはない。
第3編は議論もしたくない。という雰囲気だった。
Nさんの意見
開高の多くの作品になじみ、ファンとなった人は、各章のそれぞれのくだりが、以前の作品の各場面と重なり、珠玉のように想起される。この会は最後から読んだからその感じが伝わらないと思う。
文章、文体についても、両方の意見があった。