『日本の面影』 ラフカディオ・ハーン
本の紹介
- L.ハーン(和名小泉八雲)の日本紹介エッセイ集。
40歳で来日、日本に帰化して54歳で死去したハーンの日本での初めての作品。
古き日本と庶民の飾らない美しさをこよなく愛した作者の日本論。
来日後4年の作品とは到底思えないほどの観察眼と造詣の深さに裏打ちされている。
読後感想・議論
<最初に>
- Nさんから
セツ夫人著『思い出の記』がとても面白いので、最後にこれも読もうとなった。
ハーン一家の日常がカタコトの日本語と英語を交えてユーモラス、シンプルに語られている。
<内容>
- 「はじめに」で述べている日本人観は現代にも当てはまるほどで感心するとの意見が多かった。
- 盆踊りの所作の描写など鋭い観察眼が随所との意見
- ただ、日本に惚れ込みすぎとの辛口意見も。
- 「古事記」を始め、日本の伝統、文化の蓄積がすごい、短期間でよくぞこれだけとの声
- 「日本人の微笑」の章 日本人の精神性を論じており、読み応えがあるとの意見
- 原文は英語(海外に日本を紹介するため)。それを日本語に翻訳した訳者の手腕がすごい。
- 東京帝大の講師職を一片の通知で解雇されたという。後任は夏目漱石。
漱石をとりまく関係者のいやらしさがあるとの指摘。
最後にセツ夫人の『思い出の記』を鑑賞した。