日本の目指すべき方向 敗戦から100年後(2015年)の日本のあるべき姿を考える。
1.日本らしさへのこだわり
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①日本文化は独自の文化と言えるのか。
日本語は世界に類語がない言語。漢字は日本語を表記する文字として活用し、他の漢字文化圏とは一線を画している。世界でも稀有なほどに言語の連続性を保っている。
論理よりも情緒、虫の音を聞き分けるなど音の感覚が鋭く、擬音語が多い特徴を持つ。
縄文土器は世界最古で質も最高級。また、縄文時代からの豊富で多様な食環境に恵まれて、食用の家畜がいない唯一つの文明国、生食を好む。
四囲を海に囲まれた自然の領域の中で、豊かな生態系と美しい四季に恵まれて独自の文化を育んできた。
城壁のない都市、外の空間と一体になった建築。→治安と平和を維持してきた。(例、縄文時代には争いの痕跡がない、江戸時代の伊勢神宮の参拝客、旅人の多さ、婦人の旅の安全性など)
中世・近世に来日した欧米人が驚愕した高い精神文化→危機にあって公に尽くし、至誠を重んじる。一方で、山川草木悉皆成仏の万物を慈しむ心。
自由・平等・民主主義の国・・・万機公論に決すべし。
自由・平等・民主主義は西洋の思想だが、そのもとになる自由な討議をして衆議で決する、人を差別しないなどの考え方は聖徳太子の昔からあった。むしろ日本こそは自由・平等・民主主義の本家ではないか。→民主主義が未熟だったから戦争に突入したのか?
民と権力が対立しない独特の国柄;民はおおみたから。敗戦後の昭和天皇の地方巡幸。
伝統文化・歴史・習俗・祭り、遊芸、武道、万葉集・古事記に始まる詩歌文学、物作りの職人芸、工芸、食文化、衣文化、暮らしの知恵などの独自文化を築いてきている。 -
②独自性は保持する必要があるのか
明治以降、とりわけ敗戦後は伝統文化を蔑にしてきた。
35億年前のただ一つの生命が多様に展開して今日の輝きがある。多様性こそ地球生態系の発展の原動力であり、気候変動や隕石の衝突にも耐えてきた。
単一の社会は極端に走りやすいし、もろい。→植林の森は機能も低く、抵抗力も弱い。
単細胞はコピーが繰り返されるだけ、多細胞があってこそ新しいものが生まれる。
地球にも多様な社会、多様な文化が必要ではないのか。 -
③グローバリズムの時代にいかに保持して行くのか。
グローバリズム、中華覇権思想の台頭の嵐なのかでどう維持するか。
オリンピックやワールドカップの盛況には抗しがたい。
基本的には教育が大事。→日本の伝統文化に接する機会を多く設ける。
言語を始めとするさまざまな日本文化の海外での普及を図る、理解者を増やす。→日本の良さを理解していない日本人が多い。→海外からのブーメランも狙う。
教育の項、外交の項などで詳論。
2.持続可能な社会を目指す・・足るを知る精神の教えるもの。
- ①経済成長至上主義からの脱却;
人類生まれて七百万年、その大半は低成長の時代。産業革命以降にエネルギー消費量は急拡大、自給自足の経済も崩壊した。→大量消費社会からの脱却。さらばGDP大国。→GDPは絶対不変の価値尺度なのか? - ②江戸の循環経済の手本を見ながら競争の方向を変える;
効用を保ちながらエネルギー消費を減らす競争→省エネ技術。省エネ生活。
足るを知る精神の復権。自給自足の暮らしから現代人は何を学ぶべきか。→グローバル経済では持続可能社会の達成は不可能。また、資源獲得競争は争いの元。 - ③エネルギーミックスはいかにあるべきか。
- ④食料・資源の自給は可能か。
- ⑤グローバル大競争にどう立ち向かうか→次項で詳論。
3.グローバル大競争と企業のあり方
- ①グローバル企業や巨大国有企業に伍して如何に競争力、技術力、開発力を維持して行くのか。
- ②強い産業なくして国家は自立できるのか→自立できねば独自文化の維持も不可能。目指すべき国家像を追及することも不可能。
- ③日本の社会は平時型。短期決戦の戦時型には不向きか
- ④多国籍企業の行く末は?
- ⑤日本型経営は放棄するのか→終身雇用、年功序列の是非。リストラ、非正規雇用の増加は正しい選択か?
- ⑥一次、二次産業の復権。
経世済民の理念は過去のものか。 - ⑦TPP参加の是非
- ⑧規制緩和の功罪
- ⑨イノベーションとは何か?不必要な需要を作り出していないか
- ⑩長寿企業に学ぶ
日本は世界一の長寿国で世界一の長寿企業国。 - ⑪企業の上場は必然か。
4.食の自給
- ①食の自給は可能か→伝統食への回帰(輸入の過半は洋食関連の小麦、飼料、食肉など)、農民の確保、農地の確保、中山間地農業の復権、自然農法への回帰。
- ②消費者の選択→食の問題は国民全体の問題、生産者は数%のみで、全体の過半を占める消費者の判断と選択が農業の未来を決定する。例えば、品質か、価格か。国産への投資(国土・文化の保全)。
- ③食料の安全保障
国民の生命に直接かかわる食の安定供給を海外に委ねるべきではない→食料の輸出規制は頻繁に起こっている→契約は破られるためにある。 - ④いただきますの精神の復活→食料の4割は廃棄している。
- ⑤農政の改革→減反は即刻廃止、無差別ばら撒きの廃止・・・・
- ⑥農協の解体的出直し。
- ⑦家庭料理の復権。→食の外部依存は(外食、弁当、総菜など)核家族化や女子の社会進出と共に急速に増大。
5.少子高齢化・年金・保険・医療制度
遺伝子の支配からの解放;生殖を終えれば死ぬのが生命体の原則。→現生人類になってから初めて老人が出現→孫の面倒をみる役割を果たして人口急増。
- ①少子高齢化の是非;
少子化のメリット、デメリット。
少子化の一因は男女雇用均等法か?→母親の果たしている大切な役割を社会全体で再評価する。
高齢化のメリット、デメリット。→健康で長生き、できれば生涯現役が良い。 - ②再度GDP大国を目指すのか。(人口の減少は許されないのか?)
- ③日本列島に適正な人口規模は?
- ④持続可能な社会における高齢者の役割→若い人の憧れとなるような老い方の追求。
- ⑤年金・保険・医療制度
老後の不安を如何に取り去るか;
家族のあり方、自助の精神の復権→安定した社会へ向けて国家の目標を定め直す。
公的支援を強化すべきなのか→弱者の無料医療の是非
共同体の復活は可能か。 - ⑥医療は今や最大にしてなお急成長する産業→無駄な医療、投薬の塊?
- ⑦医療の規制緩和→病院、医師はなぜ不足するのか、偽医者騒動の語るもの。
健康な長寿、生涯現役が可能な社会へ。
6.教育の原点への回帰・・・ならぬことはならぬ。
- ①歴史と文化の尊重→世界最高峰の縄文文化以来の独自の文化→平和を維持し持続可能な社会を構成していた。山川草木悉皆成仏に現れる慈しみの心と高い精神性を具備した世界に誇るべき独自の文化を子孫に伝えて行く。
家族・地域・郷土を大切にし、歴史と文化を尊重する。
国際的にも自信を持って自国の文化を発信して行く。 - ②小中学生に日本語、日本の伝統文化、歴史を最優先で教育する。小学校の英語教育などは速やかに取りやめて、替わって古事記や万葉集など日本の古典に親しませる。
- ③民と権力が対立しない独特の国柄を尊重する。
古代から民をおおみたからと呼んできた国柄で、万葉集には防人や庶民の歌が多数掲載されている民主主義の国。敗戦後の昭和天皇の地方巡幸を温かく迎える国民性。→血塗られた権力闘争を繰り返してきた各国に衝撃を与えた日本の古き良き国民性を取り戻す。→民と権力の離反を図ってきたのが占領政策とマルキシズム。 - ④個人の権利、個人の自由ばかりを尊重するのではなくて、個人の義務と責任を明確にする教育を施す。→生徒や親に阿る教育はやめる→ならぬことはならぬ。
- ⑤東京裁判史観からの脱却;
日本の歴史を全否定するような東京裁判史観からは脱却する。戦争の勝者は正義で、敗者は悪といった偏向した歴史観は採らない。→日本人の民族としての健全な誇りを取り戻す。 - ④日教組(教育委員会)、文部省、マスコミなどの一部または大部分にある反国家思想と向き合い、改めるべきものは改める。
反日教育を施している国家や機関とは距離を置いて接する。
7.外交・防衛
国を守る気概と勇気を取り戻す。
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①低い国防意識;世論調査の国際比較では日本人の国防意識は極端に低い。
軍と庶民を敵対させる東京裁判史観→国民の安全と生存を他国任せにする憲法前文の影響→国防を軽んじる。
自然の領域がそのまま近代国家の領域になっているという利点の裏目が出ている→外国をすぐ信用する人の良さ、被侵略経験がない甘さ。 -
②国益とは何か;
主権の確保→国民の生命・財産(含む歴史・文化)、領土、資源などの確保。
国家・国民の意気と誇りの高揚→国家の目標へ向けての努力を妨げるものを排除。 -
③日本を取り巻く環境;
国連の敵国条項は未だに有効で日本とドイツは理不尽に不名誉で不利な立場にとめ置かれている。
欧米の価値観に根付くグローバリズムの大波。
TPPへの参加の強要。
中華覇権思想、韓国、ロシア、北朝鮮などの反日敵性国家の軍備と経済力の拡大。
東南アジア諸国との連携強化(価値観外交)。
西アジア、中東諸国との信頼関係の構築。 -
④日本の防衛能力;
中韓の軍拡と自衛隊の力関係。
核武装、徴兵制の是非。 -
⑤海外へ向けての発信。
日本の言語・歴史・文化の積極的な紹介。
日本の言語・歴史・文化を学ぼうとする国内外の人に対する積極的な援助。
日本の言語・歴史・文化を海外に紹介しようという日本の民間への援助。
日本を誹謗する言質に対する徹底的な反論。
敵国条項の速やかな撤廃。
8.憲法改正の是非・・・・和をもって貴しとなす。
十七条憲法、五カ条の御誓文に学ぶ。
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①改正の是非;
平和憲法は平和の維持に貢献しているのか?
東京裁判史観からの脱却は是か非か。
現憲法は占領軍が1週間で急造した。(明治憲法は22年かけて作った。) -
②改正すべき諸点。
前文→自国民の安全と生存を他国に委ねる無責任体制→精神の荒廃を招いている。
九条→防衛を放棄する世界に類例のない憲法条文→敵国条項の反映。 - ③権利と自由が羅列される一方で、義務と責任はほとんど触れられていない→権利と義務、自由と責任は一対の概念であり、見直しが必要。→プライバシーなどの過度の尊重はどこまで許容できるのか。
- ④明治憲法は不平等条約撤廃の目的のために欧米思想を採らざるを得なかったが、本来憲法は自国の文化や歴史に根付くべきもの→十七条憲法や五カ条の御誓文の精神を参考に、見直してみる必要があるのではないか。
9.行政・公務員改革
公に尽くす誇りあるエリートの再生が喫緊の課題。
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①官と民との役割分担の見直し→戦前・戦後の統制経済の名残を引きずっている。
親方日の丸体質→民間との人事交流や協力関係。 -
②制度疲労を起こしている→公務員の機能と効率→人数は適正か、バッシングなどによる質の低下の懸念。
組織防衛の色彩が強くなっている。(独立法人の隠し金など)→省益から国益へ。 -
③中央と地方のあり方;
中央官庁で諸事決定してしまう不合理→地方公務員の質の低さ?
現行の国、都道府県、市町村体制の是非
道州制導入の是非、
公務員の待遇;日教組・自治労などの目にあまる特権、
公務員の責任の取り方
業務内容の公開 -
④財政再建
国債の暴落はありうるのか、
債務超過に転落したという国の財務諸表はどこまで信頼できるのか。 -
⑤税制改革
現状はあまりにも複雑多岐に過ぎて全体像を把握しづらい→一部の人の恣意で税制が動かされている
消費税を中心に、他はせいぜい固定資産税と相続税程度に絞って、すっきりした税制になぜできないのか。
10.マスコミ改革
- ①競争の制限・電波の寡占→新聞・テレビは既得権益に胡坐をかく象徴的な存在。
- ②新聞・テレビは組織的には中小企業程度の脆弱なものだが、その影響力は巨大でだれも逆らえない。
- ③中立公平への疑惑→スポンサーへの阿り。また、あらゆる事業に自ら乗り出していて中立たりえず(読売の巨人びいきは御愛嬌)。
(テレビショッピングなどはなぜ許されるのか?) - ④社会の木鐸どころか衆愚政治の担い手になっている。
外国勢力の暗躍;中韓の侵入→フジテレビなどは日韓でなく韓日サッカー戦と放送してひんしゅくを買っている。 - ⑤ネットの普及はマスコミを変革するのか。
- ⑥社会の木鐸としての機能を果たし、しかも大きな影響力を保持するための条件とは何か?
以上