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サロン21

第二回議事録:持続可能な社会を目指す・・・足るを知る精神の教えるもの

平成25年5月21日

1.配信済みの資料に基づき、池田隆さんから30分余りのプレゼンテ―ションがありました。持続可能な社会とは、

  • 再生可能な資源の消費は、再生ペースを上回らない。
  • 再生不能な資源の消費は、代替する再生可能資源の開発ペースを上回らない。
  • 汚染の排出量は環境の吸収能力を上回らない。

の3条件を満たす必要があるとの定義から始まり、
第一章 考察の背景
第二章 今後40年のグローバル予測
第三章 経済至上主義からの脱却(知足経済)
第四章 日本のあるべきエネルギー施策
との各章の表題に沿って、地球・生命の歴史、現状把握、近未来の予測、持続可能な社会の実現に向けての全般的、経済的、社会的、技術的視野からの提言、更に必要となる政治行政体制改革までご説明頂きました。

2.参会者からは、ヨルゲン・ランダースの今後40年の予測の内容についての疑念は出たものの、持続可能な社会に向けて努力すべき方向性についての疑義はなかった。
 しかしながら、実現に向けては些か懐疑的な下記のごとき意見が相次いだ。

 現実の社会では各国とも相変わらず経済成長を競っており、この方向性とは全くかみ合っていない。
 かつては洋の東西を問わずに富裕層には公共の利益を優先する徳が備わっており、一般にも足るを知る精神は美徳との観念が行き渡っていたが、産業革命以降の資本主義、民主主義の弊害により、私利私欲を抑える社会通念が喪失されてしまって、元には戻れない。
 個人主義の横行で人間の視野が短期的になっている。かつての日本の社会が家や家族の連続性を尊重したような長期の視点を取り戻せるのか。
 徳の時代は戻らない→自主的努力に期待できないので、現状より厳しい規制や教育指導体制を設けるべきだ。
 今後の物作りは、作りっぱなしではなく、必ず元に戻す仕組みを設けさせるべきだし、消費者はそのコストを負担すべきだ。
 日本としては近い将来、米国と中国が拮抗する間で如何なるスタンスを取るかが大きな問題である。
 将来予測には不透明な要素が多く、日本人は長期計画や予測に基づく行動が不得手だ。
 →これまでの経験にも学び、新しい体制作りに注力すべきだ。
 総論では意味がない→良いと思った具体案はすぐに実行に移すべきだ。

 日本には江戸時代に理想の循環社会を実現した実績がある→持続可能な社会の実現に向けての“心”は日本が世界のリーダーになるべきだ。

3.極めて広範囲にわたり、しかも重要なテーマであり、第三回以降の各テーマとも重なり合ってくるので、我々に何ができるのか、ペンクラブでできることがあるのか、などを含めて今後も引き続いてこのテーマについて議論して行くこととした。

以上

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