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サロン21

教育の原点への回帰 ―教育の将来を見据える―

担当 大月 和彦

1.教育再生論の背景

現状の問題点

  1. ①学力低下―ゆとり教育の結果
  2. ②不登校、いじめ、体罰等
  3. ③教師・教委の指導力不足と事なかれ主義
  4. ④高等教育の国際競争力低下

長期的に見た問題点

  1. ①家庭の教育機能の問題点 過保護な親、無関心な親の増
  2. ②学校の悪平等、画一主義で子どもの個性・能力を抑制
  3. ③教育格差―貧困の再生産
  4. ④愛国心、郷土愛の欠如、「公」軽視傾向
  5. ⑤少子高齢化、情報化、グローバル化などの変化へ対応
2.学力は低下したのか
資料1
OECD生徒の学習到達度調査
資料2
全国学力調査結果

ゆとり教育の評価

  1. ①趣旨 詰め込み・画一教育、「7・5・3」現象等の反省。
    自ら考える力、問題発見解決、コミュニケーション能力の付与をめざす
  2. ②施策 ⅰ週5日制の完全実施、ⅱ教育内容の3割削減,ⅲ「総合的な学習」―意欲・興味・関心を喚起する授業。
  3. ③結果 ⅰ生徒の理解度が改善されず・指導要領への到達度が低下、ⅱ・学習意欲が高まらない
3.グローバル人材の養成に向けた教育
グローバル化、国際競争力対応の人材とは

政治、経済、科学技術等野の世界で活躍出来るできる人材
外国とのコミュニケーション能力や異文化体験を持ち、国際的に活躍できる人材。
施策 ①小学校での外国語授業 ②高校生の海外留学 ③国際バカロレア ④高校スーパーグローバルハイスクール(SGH)

4.競争原理の導入 教育委員会制度の見直し
  1. ①競争原理の導入
    悪平等を排し、教育現場の切磋琢磨を促し、頑張る学校、教員を支援。「出来る子を伸ばす」
    「6・3・3・4制」の弾力化(中高、小中の一貫教育)、学校選択制―志望者の多い学校に予算の重点配布 公設民営学校(教育特区構想)
  2. ②教育格差の拡大―親の経済力による格差
  3. ③教育委員会制度の見直し。教育の中立性をどうするか
5.教育内容 改正教育基本法の展開
  1. ①道徳教育 「愛国心を持ち、日本人としての自覚、公の一員としての自覚。日本の伝統文化の尊重,郷土国家を愛する気持ち・・・」。
  2. ②教科書
(参考) 安倍内閣の教育政策
  1. 教育再生実行会議の設置(平成53年 座長鎌田薫早大総長)
    (第1次安部内閣で設置された教育再生実行会議の復活)
  2. 最近の提言
    1. ①いじめ問題等への対応(いじめ対策法の制定)・道徳の教科化、道徳教育の充実
    2. ②教育委員会制度改革―教育行政の責任と権限の明確化。責任者を教育長とし、首長が任命罷免
    3. ③大学教育等のあり方―10年間に世界ランキング100位以内に10校以上ランクイン。日本人留学生12万人に倍増、外国人留学生を30万人に増やす。
まとめ
  1. 経済・社会全体の変化(グローバル化、情報化、新自由主義経済への移行,少子高齢化等)への対応
  2. 教育環境の整備 資料3 教育費の国際比較


引用:文部科学省HP

資料2 平成25年度全国学力調査結果

正答率
  国語A 国語B 算数・数学A 算数・数学B
小6 62.7 49.4 77.2 58.4
中3 76.4 67.4 63.7 41.5

上位と下位県(小6算数・数学Aの場合)
秋田+5.6、福井+4.4、沖縄+3.5
岡山-2.6、島根-2.9、沖縄-3.9

注1 問題Aは基礎知識 問題Bは応用力
注2 都道府県ごとの正解率は分かるが学力の変化・推移は不明

資料3
教育費の国際比較 OECDD調査(2010年)
国内総生産(GDP)に占める教育への公的支出の割合
1位デンマーク7.6%、2位ノルウェイ7.5%、3位アイスランド7.0%、4位ベルギー、フィンランド6,4%、6位スウェーデン6.3%・・・9位英国5.9%・・・15位アメリカ5.1%・・・30位日本3.6%


・日本は加盟国の比較可能な30カ国の最下位(加盟国平均5.4%)。
・子ども一人当たりで見ると比較可能な29カ国中12位。

以上

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