第七回 議事録「外交・防衛」
平成25年10月15日
1.最初に志村良知さんから防衛問題に軸足を置いた下記項目に沿って、配信済みの資料に基づき30分余りのプレゼンテーションがあった。
- ①外交
- ②周辺状況
- ③日本の防衛ドクトリン
- ④危険な隣人
- ⑤原発再稼働
- ⑥核武装
- ⑦国土が比較的狭い国への防ぎようのない攻撃
- ⑧憲法論議
- ⑨国を守る一つの手段としての絶対平和主義
軍備を拡張する危険な隣人に囲まれながら、万全とはいえない日本の防衛・外交の現状を専門的な情報を含めてご説明いただいた。
2.続いて17名の参加者による自由な討議に入り、下記のごとき意見が出た。
安倍首相の「積極的平和主義」とは何を意味しているのか、スイス・スウェーデン型の防衛・外交を目指しているのか。
アセアンのすべての国を歴訪したり、親日国のトルコとの友好を深めたり、メリハリのはっきりした安倍首相の外交姿勢は評価できる。
通商を拡大して行けば当事者間の戦争は起こしにくくなる。
米国は軍需産業の支配している国であり、不安・紛争をあおる傾向がある。米国からの情報は要注意である。
中国も豊かになれば平和志向に移行するのではないか。
中国の民衆も戦争は望んでいない。
しかし、チベット・ウィグルに見るごとく、中国に支配されたら悲惨なことになる。
中国の権力闘争は激化しているし、改革も遅々として進まない。国内の不満のはけ口として日本カードを切る危険性はある。
軍人の独断と思える発言や行動がある。まず現場が事を起こし、中央がそれを追認するという体質がある。
中国の膨張政策は経済成長のための資源確保が目的。
沖縄、とりわけ南西諸島を奪われて住民を人質に取られたら奪還は難しい。
中国の思惑通りに第一列島線、第二列島線までの制海権を許せば、日本のシーレーンは壊滅する。→第一列島線内部の内海化で、原潜ミサイルによる米本土への核攻撃さえ可能となる。→米国の中国への警戒感は高まっている。→ケネディーの日本大使への任命は米国のアジア重視が本気である証。
中国は共産党が三権と軍を支配する独裁国家であり、信用できない。
韓国はそれでも民主主義国家である点が救い。
中国とは距離を置いて付き合うべきだが、企業はすんなり撤退させてもらえないのが現実→日本政府は後方支援すべきではないか→いや、進出した企業の自己責任である。政府は関与すべきでない。
中朝は日本を標的にしていることをひしひしと感じる。日本は中江兆民以来平和主義をとなえる理想主義者が多いが、それでは危険。
人類は仲間を殺す唯一つの生物で、無防備でよい筈がない。
日本はインテリジェンスを含めた広報活動をもっと積極的に行うべきだ。
日本は裏からチベット・ウィグルの蜂起を支援するぐらいの策を考えるべきだ、それが国家の安全にもつながる。
日本がアジアを侵略した過去は忘れてならない→大東亜共栄圏の思想によりアジアの国々が解放された側面もある。
多くのアジアの国々が日本に感謝している→しかし、シンガポールの華僑は今も日本の侵略の不正義を訴え続けている→華僑は植民地支配の手先になって甘い汁を吸ってきた立場からの偏った発言もすることを考慮する必要がある。
比国のかつての激戦地レイテ島に自衛隊員が千人も派遣され、すんなり受け入れられたのは何を意味しているのか。
大戦で日本が軍靴で踏んだアジアの国々、および交戦国は、中韓を除き、ほとんど全部、靖国神社に政治家/外交官/軍人が公式参拝をしている。
日本の外交は低く評価されがちだが、それなりに頑張っているのではないか。
領土問題の解決は困難で、現状維持でよいのではないか。
領土問題は時間がかかるが、主張すべきは主張し続けねばならない。
沖縄の平時における返還は歴史的に見れば稀有な事例。
日本はスイスを理想として世界平和を訴え続けるべきだ。
原発は今や保持していることが最大の弱みとなっている。
原発事故は人災である→人災である以上は、事故は必ず再発する。
原発反対はムードに流されている。→反対するならしっかりとした意見を述べるべき。
原発の技術・技術者を確保しておかねば、日本は世界の一等国として通用しなくなる。
原発は安全なエネルギー資源ということを官民挙げて訴えるべきである。
エネルギーの確保は国の要諦であり、原発の安全性を高める努力と共に、メタンハイドレードなど新資源の開発、液化技術の応用などによる石炭の再開発に積極的に取り組むべきだ。
3.日本は諸外国と概ね良好な外交関係を築いているが、隣国の中国、韓国、北朝鮮、ロシアとは不安定な状態が続いていることを憂慮する意見が相次いだ。
とりわけ、中国との接し方は如何にあるべきかについてさまざまな角度からの意見が出された。同国とは距離を置いて接すべしとの考え方が過半を占める中で、同国も豊かになれば平和志向に移行するとの期待を込めて、通商を拡大すべきとの意見もあった。
日本の外交については、インテリジェンスを含んだ広報活動の弱さを憂慮する意見が相次ぎ,広報の強化の必要性についてはほぼ意見の一致を見た。
以上