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サロン21

「近代史について思うこと」

平成26年5月20日

1.配信済みの資料に基づき、横内則之さんから豊富な知見と幅広い研究成果に基づいた下記項目についてのプレゼンテ―ションがあった。
 ①米国生活での経験
 国民性
 国家
 ②日本の近代史
 半周遅れの帝国主義
 日韓問題
 日中問題
 太平洋戦争
 東京裁判
 靖国問題
 ③歴史観、国家観、戦争観
 ④これからの課題
 歴史の総括
 自立(国家の自立、国民の意識改革)
 国際協調

2.次いで自由な討議に入り、出席者から下記のような意見が出された。

日本の国体をどう見るべきか。皇室は必要か。
皇室は文化遺産であり残すべきだ。権威であり権力ではない。
多くの兵隊が天皇陛下万歳と叫んで死んだと言われるが、祖国万歳の気持ではなかったのか。
天皇の戦争責任については見解の分かれるところだが、サンフランシスコ条約で区切りをつけて退位されるべきではなかったか。

日本人は不和雷同型、或いはお上に盲従型が多く、民度が低い→ドイツも総選挙でヒットラーを圧倒的に支持した。英米と比較しても日本の民衆のレベルは低いとは言えないのではないか。
日本では個の確立が遅れている→和を重んじてきた日本の歴史・文化と個の確立は必ずしもなじまない。西欧の文化に盲従する必要はないのではないか。
しかし、国家の自立は個の自立なくしてはありえない。
欧米人と民族性は違う。すべて右に倣えではない筈。

現行の憲法は押し付けられたものだったが、内容はよかった。
憲法は諸悪の根源、無責任な戦後民主主義の精神は憲法から来ている。
平和を守るためには犠牲が必要だと認識すべきだ。
自衛隊員の半数は自分が戦場に行くことを想定していない。

東京裁判は勝者が敗者を一方的に罰したもので公平な裁判ではない。敗戦に至る道をタブー視せず、日本人自身の手で歴史を総括すべきだ。
東京裁判ではなぜか海軍からは極刑がでなかったが、太平洋戦争は海軍の責任。
陸軍は韓国出身者を(併合時なので日本国籍)中将にまで昇進させたが、海軍は日本人以外には閉鎖的だった。
海軍がリベラルというのは、戦後につくられたイメージではなかったか。
山本五十六の責任は重大で、とても軍神などと崇め祀られるべきではない。

戦前、戦中を通じて命を張って国を守る気概のリーダーが欠如していたのではないか。
上意下達よりも部下に自由に腕をふるわせるのが日本のリーダー像で社会的な体質ではないか。
そうした文化は、江戸時代に作られたもので、日本でも、戦国時代はそうではなかった。環境や教育次第ではないか。
それでは戦時の役に立たないので、変えていく努力をすべきではないか。
陸海軍のリーダー間に緊密な連帯がなかったのが残念だ。
組織の利益が優先され、国益がなかった。

伊藤博文のような国際的視野を持ち大局的な判断のできるリーダーが戦前にも必要だった。
如何に強力なリーダーを育てるかは今日の問題でもある。

自衛隊は戦略戦術を研究しているはずだが、実戦経験はないのが最大の弱点。
国防をまじめに議論する場がない。国防は即イデオロギー論争にされてしまう。
核武装の問題もタブー視せずに議論すべきだ。

高校の教科書は中韓の立場で書かれている。また、朝日新聞は各国バラバラの歴史観があるのだから、高校で日本史を教えるな、などと冗談のような記事を載せている。
今日のレジメのような内容を教科書にして教えてほしい。

韓国併合は韓国人の自尊心を傷つけたが、その統治の9割は公正だった。極貧の李氏朝鮮に比較すると人口も米生産も倍以上になっているし、インフラ・教育も整備された。
欧米人の研究家の著書を見ても日本の統治については肯定的な評価。
経済統計をみると韓国経営は日本の赤字で持ち出しでインフラ整備などを行った。
創氏改名は日本名を押し付けたのではなく、むしろ朝鮮の下層民の要望でもあった。

台湾には感謝されるが、韓国から恨まれるのは何故か→華夷秩序によれば、自分たちより劣位の筈の日本に支配された屈辱が怨念として残っているのではないか。
日本人にも根っこに中韓蔑視があるのではないか。注意すべきだ。

靖国神社がA級戦犯を祀ったのは不適切。中韓の批判を避けるためだけでなく、日本国民に対しても責任があるので分祀すべきだ→分祀しても中韓は新たなターゲットを決めて批判を続けるので効果は期待できない。そもそもA級戦犯とは東京裁判の区分けであり、日本人自身で戦争責任者を総括すべきではないのか。

今日は、日韓問題はいろいろ論議されたが、日中問題についてじっくり議論する別の機会を設けるべきだ。
アメリカの国民性、国家像についても、改めて議論したい。

紛争の種は尽きないが、日本は米中と軍拡競争をすべきではない。ビジネスで活躍して世界平和に貢献すべきだ。

3.横内さん作成のレジメ、並びにプレゼンテーションに関しては賛同の意見が多数を占めた。また、敗戦から70年が経過しようとしているが東京裁判史観を押し付けられたままで、日本人自身によって太平洋戦争に至る経緯を総括したとは言い難いという認識でも一致した。なぜ歴史を直視しないのか、ここらを掘り下げて議論する機会を設けることとしたい。

以上

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