「歴史に見る子供の鍛え方ー中国、ユダヤ、日本」
平成26年7月15日
1. 最初に大平忠さんより配信済みの豊富な資料に基づき、パワーポイントを使用しての各国の、また、それぞれの時代の教育のあり方についての懇切な説明があった。論語、モーゼの五書、会津の掟、教育勅語など古から現代に至るまで人類は教育にさまざまに腐心し、苦労を重ね、その是非が社会の発展と安定に大きく影響すること、また、松下村塾や薩摩の下加治屋町などの小地域からその教育や競争の成果か、多数の維新の英傑が輩出された例などを説明いただいた。さらに、幼いうちに鍛えることの重要性が強調された。
2.次いで出席者16名による自由な討議に入り、下記のような意見が出された。
日本は体制順応型の教育をしがちで、自分で考える力を養うことをもっと重視すべきだ。
日本では権力や権威に対する異論が少ないのではないか→異論は出ているのだが、リーダーに受け入れる度量が不足している。哲学を持ったリーダーが必要だ。
ユダヤの教育ママは子供に質問させることを重視するが、日本の教育ママは受験優先の傾向がある。
国際性、自主性を鍛える教育に重点を置くべきだ。
教育の目的を鮮明にすべきだ。自ら生きる力を養わせ、問題解決能力を培かわせることが肝要だ。そのために論理的な思考と説得・伝達能力を磨かせることが必要だ。
戦前の日本には強力なリーダーがいなかったが、教育勅語の効用はなかったのか?→教育の欠陥というより、維新後の社会が制度疲労を起こし、官僚的になっていたのではないか。
程度の低い大学で教鞭をとっているが、学生は驚くほど無気力で勉学意欲は全くない。
エリートを育てる教育と一般用と二本立てにする必要がある。
日本では戦後は平等教育が全盛だが、エリートが必要なのが社会の実情だ。野心家やドンキホーテ的な人物を育てる教育も必要だ。
世界中が平和で安定した社会にならない限り、国家としてみればエリート教育は必要だ。平等偏重では衆愚政治に似た状況になってしまう。
エリートは5%でよい。他は義務教育の後は職業教育でよい。
仏は僅か六百家族ぐらいを中心にしたエリート教育の国で、その家族では子供のころからグランゼコールに行く勉強をさせている。
実用のための教育と人格を鍛える教育と両方が必要である。昨今の日本人は社会人としての公徳心が欠けている。修身・斉家・治国・平天下の言の通りに、まず自らを修める教育が大事だ。
学校の先生は重い責任を担って頑張っている。文部省の教育白書もよい内容だ。
伝記を読ませるのが最良の教育だ。
文学古典を読ませるべきだ。
幼児期に心を鍛えることが一番重要である。
人類の歴史は教育の歴史だ。人間の本性は性悪なので教育は必須である。
日本の教育は変わりつつある。グローバル人材を育てる全寮制の中高一貫校などが出てきている。
最近は“末は博士か大臣か”と言わなくなっているが、尊敬に値する博士も大臣も少なくなってきている。
アベノミクスの第三の矢でコーポレートガバナンスが強調されているのは良い兆しだ。安倍政権のリーダーシップに経団連も従い始めている。
女性の社会進出が、視点を変えて見れば、幼児の教育に大きな負の影響を及ぼしているのではないか。社会全体で考えて行くべき課題だ。
モザンビクとの取引を画策中だが、民度の低さに戸惑いを覚える。グローバル化の一つの課題だ。
ユダヤの教育の基本は、人間としての規範を鍛えることと生きていく力を養うことの二点だ。
3. “人類の歴史は教育の歴史だ。”との発言が飛び出したが、まさに至言と言える。教育が人間の社会を作り出し、社会が人間を教育する。その意味で教育は人間社会の鏡とも言えそうだ。全員で教育の重要性を再認識する形となったが、今後とも重要課題として勉強を続けていくこととしたい。
以上