作品の閲覧

サロン21

日本の財政と税制

H26.9.16
大泉 潤

参考文献

  • 日本の財政 市川健太著 東洋経済新報
  • 日本の税制 森信茂樹著 岩波書店
  • 税制改革の渦中にあって 石弘光著 岩波書店
  • 経済財政白書 内閣府

①②・・・⑫は参考図表の番号

はじめに

  • 税制は複雑で分かりにくい。クロヨンの不公平などあり、消費税一本化したらどうか。
  • 今日はこの議論の資料を提出する。内容は日本の財政、税制、税制改革が三つのテーマ。
  • 現在、鳴り物入りの現政権は経済再生に成功しているように見える。
  • 実態は、財政赤字の増大、健全化の国際公約の達成が危惧され、マスコミには国家破綻の語も登場している。
Ⅰ.財政
  • 日本は古今東西未曽有の過剰債務にある。
    1. ①日本財政のあゆみ:S39~H25歴代内閣池田~安部)49年間 縦軸 GDP成長率、公債依存度、建設公債発行額 特例公債発行額
      税収の決算、予算対比を示す
      分かること S39~S52は成長率10% 石油危機後5%以下~マイナス成長。特例公債はS50~63 H6以降増大し、H10以降35兆~50兆になった。
    2. ②公債残高の累増
      残高は780兆円になる。国民1人当たり615万円、4人家族で2,500万円。4条公債とは建設公債、特例公債とは赤字公債
      債務は税収の16年分になり、将来世代に大きな負担を残す。
    3. ③H26予算 歳入96兆円(公債41 消費税35 他20) 歳出96(国債23 社会保障31 他42)借金は18兆円増やす予算。
    4. ④一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移
       平成以後、歳出は2%/年増加し、税収は1%/年低下 25年には差額49兆円になった。
    5. ⑤社会保障関係費の推移:増加し29兆円になっている。
    6. ⑥高齢化により家計貯蓄率は23%から3%へ低下している。
    7. ⑦国民経済に占める財政の役割(国際比較)GNP比の政府総支出(国地方社会保障基金の総体)
  • 世界との比較 日米英仏独スウェーデン ⑦2011年仏56 ス51% 英48 独45 米42 日42
  • 今なお債務を増やしている
  • 国家財政とは、国民が税金という形で負担したお金を原資に国が国民に対し種々のサービスを提供する活動。
  • 国家の破綻とは。
Ⅱ.税制
  • 税制の機能:公共事業の資金調達、所得再分配、経済の安定化、
    1. ⑧国税・地方税の税収内訳
    2. ⑨生涯を通じた受益と負担
  • 課税原則:公平、中立、簡素
  • 日本税制の歴史:明治(地租改正、証券印紙税、たばこ税、酒類税他)シャウプ税制(租税体系、申告制、地方財政)
  • 日本税制の問題点:均衡を欠く、所得捕捉の困難性 (1)歳入,歳出 (2)世代間 (3)クロヨン
  • 直接税:所得税、法人税、相続税
  • 間接税:消費税、酒税、たばこ税
  • 消費税:
    ⑩消費税の仕組み、消費税の概要 逆進性、益税、
    ⑪逆進性緩和:標準税率・軽減税率の国際比較:EU17% 日本8%のみ

    国税をすべて消費税で賄えば:歳入必要額57兆円 GDP500兆円 国内家計最終消費支出60% 支出額300兆円 税率19%となる。
    公債金を含めると歳入必要額96兆円 税率32%となる。

  • 地方税:個人、法人は行政サービスの為応分の負担をする。約40兆円 問題点:リストラ不足、汗をかかない
Ⅲ.税制改革
  1. 持続可能の為増税は不可避である
    • 政府の公共サービスの受益を要求するなら、必要な費用を負担する。
    • 財政赤字累積、少子高齢化の中で社会保障を持続可能にするには、皆が広く公平に負担する。
    • 中長期的に選挙の人気取りでなく痛みを伴う選択肢も必要と考える眼力が必要である。
    • アメリカの様に、自助努力、低福祉・低負担の志向もある。この方策は日本の伝統、背景から賛成できない。
      ⑫国民負担率の内訳の国際比較 国と地方の債務残高(対GDP比率)
    • ポケット論争:国債は国の借金であり、利子と元本は払わねばならない。その費用は将来世代の負担となる。建設国債は資産を残すが、赤字国債は負担を残すだけである。この通念に対して、「将来税負担を増やしても、納税者Aのポケットから国債保有者Bのポケットへ所得移転が生じるだけである。Bが外国人でない限り一国としては変化を生じない。つまり将来世代を含めた全体として負担が転嫁されないとの主張になる。ケインズ学派ラーナーが唱えたが少数派であり、国債の負担はその世代の負担と把握すべきだ。将来世代のAにあらたな負担が生じる。
  2. 税制改革の主体
    • 政府税調:総理府設置法に基づく総理大臣の諮問機関 1959~
    • 自民党税調:80年代誕生、利害と陳情の調整
  3. 国民の理解(マスコミ、教育)
    • 政治的にタブー化した消費税
    • 学校教育
  4. その他
    • 消費税 消費課税の概要
    • ⑬財政健全化:人件費、公共投資、社会保障、他で国・地方合計で14兆削減し、2011年度にプライマリーバランス黒字化
Ⅳ.まとめ
  • 財政危機、国家の破綻
  • 現政権の政策

以上

作品の一覧へ戻る

作品の閲覧