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サロン21

サロン21 討論メモ 「安倍総理70年談話について」

平成27年5月19日

〔1〕.当月は、横内則之さんに、歴史問題などに関しての戦後の日本の対応を中心に分かりやすく纏めていただいた配信済みのレジメに沿って下記をご説明いただいた。
 また、8月に予定されている70年談話に盛り込むべき内容についての横内さんのご意見も披歴いただいた。
1.歴史問題に関する外務省の公式見解
2.村山総理50年談話、小泉総理60年談話
3.安倍総理のこれまでの演説内容
バンドン会議(2015・4・22)
米上下院議会演説(2015・4・29)
4. 70年談話についての安倍総理の思惑
5.安倍談話に盛り込むべき要点は何か
①歴史問題について
「先の大戦への痛切な反省」
「植民地支配と侵略」
「心からのお詫び」
「慰安婦問題」
②戦後70年の日本の平和国家としての歩み
③これからの国際社会への貢献

〔2〕.続いて出席者13名による自由な討論に入り、下記のような意見が出された。

植民地支配と中国への侵略は歴史的事実だから、謝罪すべきだ。

謝罪をしても誰からも感謝されないし、歴史問題にけりがつくわけでもない。
謝罪を繰り返すたびにハードルが高くなるだけで、謝罪によって事態が好転するわけではない。
中韓では政治カードになっており、簡単には降ろさない。

謝罪をした上で、歴史的事実を発信すれば国際社会への大きな効果が期待できる。
波風を立てないように、従来の談話の相似形にすべき。
安倍談話は国際間の緊張を高めないことが大事だ。

歴史認識の問題はもともと戦勝国が戦敗国を一方的に断罪した東京裁判史観に端を発している。植民地支配と侵略の元凶である欧米が一切謝罪していなのに、日本が安易に謝罪することは大きな禍根を残す。また、謝罪による効果も期待できず、中韓との関係も悪化するだけで、安倍談話では謝罪はすべきではない。

歴史問題をめぐる紛争はどこかで断ち切ってほしい。孫子の代に遺してはならない。
放っておけば解決する。中韓もそろそろやめるのではないか。
今は大きな歴史的な転換点ではないか。じっくり構えて対応すればよい。
最近の中韓は変わってきている。経済面で日本の力を必要としている。また、米国の安倍総理への歓迎ぶりは、中韓の指導者に対する歓迎とはレベルが違うので、中韓は焦りも感じている。
米議会での安倍演説は歴史に残る大演説と評価できる。
安倍談話は過去よりも未来に重点を置いたものにすべきだ。

スウェーデンはバイキングの悪いイメージの払しょくに200年を費やした。
ドイツの謝罪はナチスとドイツ国民を区別して、ナチスの蛮行を謝罪する形ですり抜けている。
ドイツと日本は立場が違う。ドイツは欧州で抜きんでた経済力を持っているが、日本はアジアでの影響力はまだ小さい。

日本はもっとPRをし、長期戦を覚悟して、地道な努力を続けるべきだ。
中韓の情報戦にやられっぱなし。日本はもっと発信すべき。

テレビのワイドショーなどの破廉恥な無責任発言は控えさせるべきだ→いや、自由な発言があっていいではないか。取り締まる必要はない。

安倍総理の地球儀を俯瞰する外交は良い。親しい国、平和的に仲良くやれる国を増やすべきだ。
今、チャンスが来ている。イニシアティブをこちらからとれる。

そもそも何のために70年談話を出すのか。
出すなら、未来志向に焦点を置くべきだ。

山内昌之氏の日中歴史問題会議へ参加経験談によれば、中国側の学者には事実を追求する姿勢が全くない。

日本の近代史を日本人自身の手でしっかりと総括すべきだ。
戦争の歴史については一億総ざんげで済ませてはいけない。歴史をしっかり検証し、誰が戦争の責任者だったかはっきりさせるべきだ。
近現代史を若い人に学ばせ、事実を知らせるべきだ。日韓併合は勿論、アメリカと戦争をしたことさえ知らない若者もいる。

〔3〕.談話を出す意義については懐疑的な見方が少なくなかったが、出すなら未来志向に重点を置くべきだという意見が多かった。中韓に対しては、植民地支配と侵略を謝罪すべきという意見がある一方では、謝罪してもその効果は期待できないとする見方が過半を占めた。
 歴史を日本人自身の手で検証し、若い人にも近現代史をよく学ばせる必要があることについてはほぼ意見が一致した。

以上

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