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サロン21

「世界の紛争地と地政学」

平成27年6月16日
担当 大泉潤

Ⅰ.趣旨
  • 人類は有史以来文明を高度化し、自由・平和・民主主義を追求してきた。地球上には平和で豊かな生活を享受する多くの人がいる反面、望まぬ紛争や戦乱に巻き込まれ、被害を被っている人々がいる。負傷し、家族を失い、住むに家なく、悲惨な暮らしを強いられている多くの人がいる。
  • 紛争は、宗教、領土、資源、欲望、民族などに起因し、発生する地点は交通の要衝、国境、資源の産出する場所、石油や麻薬の産地などさまざまである。
  • 資料を繙くと、前世紀末から今世紀にかけて、数十の紛争が発生し、その地域の面積の合計は、地球上の半分の土地を覆い、多くの人々が直接、間接に巻き込まれている。世界地図を拡げ、紛争地をプロットすると、五大陸にわたっている。
  • まずはその実態を勉強し、加えて、UN、EU、ASEANなど国際連携の現状を整理する。
  • 紛争とは、国連憲章の定義:平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争 conflict
  • 地政学とは:geopolitics :the political relations between countries and groups of countries in the world; The study of these relations
  • 地勢学とは:topography: the physical features of an area of land, especially the position of its rivers, mountains, etc.
Ⅱ.世界の主な紛争
  1. 北アイルランド紛争
    ・1972血の日曜日 カトリック系住民に英軍発砲
    ・プロテスタントに弾圧されたカトリックの反抗
    ・治安維持回復している
  2. グルジア紛争
    グルジア 面積7万km2 人口430万人 GDP2.6千$/人
    ロシア 1700万km2 1.4億人 10,000$/人
    ・独立を主張するオセチアをグルジア軍が攻撃、米露対立
     ロの戦略的拠点。石油輸送の重要地
  3. エチオピア、エリトリア紛争
    エチオピア 110万km2 9400万人 325$/人
    エリトリア 12 630 429
    ・ソマリア内戦が両国の代理戦争の舞台
    ・戦争を経て独立したエリトリア。国境が曖昧、国際仲裁裁判所の裁定にエチオピア承服せず
  4. ルワンダ内戦とブルンジ内戦
    ルワンダ 2.6万km2 1180万人 532$/人
    ブルンジ 2.8 1020 309
    ・「フツ」対「ツチ」の民族対立
    ・もとベルギー領、1962年独立。昔の植民地時代の民族差別が生んだ闘争。IT立国めざし成長、英連邦に加盟。政権の強権体質批判もある。
  5. コンゴ紛争 コンゴ民主共和国 234.5万km2 6750万人 201$/人
    ・隣国ルワンダの「フツ対ツチ」の民族対立がベース ・犠牲者500万超の世界最悪の紛争
    ・各武装勢力による埋蔵資源の奪い合い
  6. ミャンマー少数民族独立運動 ミャンマー 67.7万km2 3530万人 876$/人
    ・軍事独裁政権による極端な鎖国政策
    ・北朝鮮との軍事交流が明らかに
  7. アフガン戦争 アフガニスタン 65.3万km2 3060万人 499$/人
    ・「9.11」の報復で始まった21世紀最初の大きな戦争
    ・国連、NATOは軍隊派遣 計131,730
    ・タリバン勢力を盛り返し無差別攻撃激化、約9年の長期戦
    ・ソは体力を消耗し、ソ崩壊の一因となった。米は荒れたアフガンを放置し、武装勢力の群雄割拠となり、タリバンが台頭した。清貧が若者の共感を呼んだ。
    ・伝統的な部族社会でいがみ合い。米はカルザイ氏を選んだが、指導力乏しく、腐敗も明らかになった。
  8. 東ティモール紛争
    インドネシア191 万km2 24,990万人 2949$/人
    東ティモール1.5 110 706
    ・インドネシア南東部ティモール島の東半分の国、インドネシアハビビ新大統領の独立承認により、2002年独立国となった。21世紀最初の独立国
  9. タイ南部の分離独立問題 タイ51.3万km2 6700万人 4600$/人
    ・2カ月以上にわたる衝突で国が麻痺状態に
  10. メキシコ麻薬戦争 メキシコ 196.4万km2 12230万人 9101$/人
    ・カルデロン大統領の強硬策が裏目か
  11. ギリシャ危機 ギリシャ 13.2万km2 1110万人 26504$/人
    ・巨額の財政赤字の発覚で、世界的な金融危機の震源地に
  12. ロマ問題
    ・インドに起源をもつ民族、15Cにヨーロッパに拡大した。ロマニ語を話す。欧に1000万人が住む。放浪、移動で差別されてきた。コソボ紛争で、セルビア、アルバニアから迫害を受け、多くの難民が生まれた。
  13. レバノン戦争
    レバノン 1万km2 480万人 9284$/人
    シリア 18.5 2190 2931
    ・宗教、宗派の対立に親欧米派、新シリア派の対立が加わり混迷深まる
  14. イエメン紛争
    イエメン 52.8万km2 2440万人 1347$/人
    サウジアラビア 220.7km2 2880万人 15836$/人
    ・宗教、宗派の対立に親欧米派、新シリア派の対立が加わり混迷深まる
  15. ダルフール紛争
    スーダン 188万km2/ /1825$/人
    チャド 128.4 1280 4613
    ・非アラブ系民族とアラブ系民族が衝突を繰り返してきた
    ・独裁、報道規制、反体制規制、バシル大統領独裁、逮捕状無視、外遊
  16. ナイジェリア 92.4万km2 17360万人 1240$/人
    ・火種は、宗教対立と豊富な原油をめぐる利権
    ・イスラム教徒対キリスト教徒の争いが顕在化
  17. パレスチナ紛争
    1948年のイスラエル建国以来続く争い
    ・イスラエル建国に伴うアラブとの対立
    ・実態は土地を巡る「領有権」争い
  18. イスラム原理主義台頭
    ・テロなど武装闘争だけが「聖戦」ではない。 ・伸長するイスラム原理主義 ・現代社会の乱れ、腐敗の刷新訴え
    ・欧米の主観と相容れない「民主主義」
    ・2006年パレスチナ自治区で国会相当の評議会選挙が実施され、イスラム原理主義「ハマス」が圧勝、一党支配が続いてきた「ファタハ」は汚職蔓延で不信 ・アルジェリアでも「アルジェリア民族解放戦線FLN」の一党支配が続いたが経済悪化、独裁腐敗のため、イスラム救国戦線FISが誕生した。結局軍が最高国家評議会(5人)で実験掌握しFISを非合法化 ・エジプトでも、「ムスリム同胞団」は弾圧の対象だった。投票妨害、得票操作で議席なし
    ・原理主義過激派の襲撃多発、テロ、武装闘争以外もある聖戦
  19. 湾岸戦争
    イラク19m/1
    イラン70/5
    クウェート2m/45
    ・フセイン大統領に強い権限を与えた西側諸国。イラクがクウェート侵攻、多国籍軍が制圧
  20. 南アフリカ人種問題 44m 700
    ・アパルトヘイト撤廃後も続く人種問題
    ・人種・民族の和解を目指す「虹の国」でなおくすぶる対立
  21. 南シナ海
    ・豊富な海底資源、沿岸諸国が領有権めぐり対立
    ・海底資源巡り沿岸諸国が領有権を主張 軍事力拡大で実効支配強める中国 ASEAN枠組みでの解決を模索
    ・南沙は中台湾ベトナムフィリピンマレーシアブルネイ、西沙は中台湾ベトナムが領有権を主張
    ・1974.88に中とベトナムが軍事衝突、豊富な海底資源、さんご、石油、シーレーン など今後も綱引き
  22. 尖閣諸島
    ・中国漁船衝突事件で政治問題に発展 2010年
    ・中国漁船衝突事件で緊迫、日本が実効支配、中国も領有権を主張、地下資源、漁業資源豊富な海
    ・日本は外交圧力に屈した印象
    ・過去1885年現地調査、1895年沖縄に編入
    ・中は巨大監視船を投入日本に圧力、双方譲らず糸口なし
  23. 中南米の左傾化
    ・ラテンアメリカ統合を目指す動きが地域の左傾化の全体像 左派政権誕生15ヵ国
    ・21Cに入り、左傾化が注目される。ベネズエラ、キューバ、ブラジル、チリ、ウルグアイ、ボリビア、エクアドルなど
    ・ベネズエラは石油埋蔵量世界5位の資源大国、国内貧困層の援助、中南米諸国との連携強化で存在感示す
    ・米州自由貿易委地域構想 FTAA、米州ボリバル代替統合構想(ALBA)、南米諸国連合 UNASUR、米州ボリバル代替統合構想(ALBA)、ラテンアメリカ・カリブ連合 仮称 33か国 の構想がある
  24. ガスブロムのガス紛争 資源獲得競争
    ・世界最大のガス会社「ガスブロム」 ロシア埋蔵の天然ガス7割生産、世界の17%を生産。1989年にソ連工業省から分離発足、ロ政府が50%の株保有、メドベージェフが会長、プーチンとつながる。
Ⅲ.最近の記事、報道
  1. (1)地政学リスクの例
    ・シリア、ウクライナ、イスラム国、イスラエル、イラク
    ・新たな国家モデルが欧米自由主義に挑戦、米の指導力でも解決困難
    ・ロシアのクリミア強制編入
    ・国家軸の国際秩序限界に。非国家主体(例 イスラム国)の領土横取り
    ・過激派に勢い、アラブの春後の混乱でイスラム国拡大
  2. (2)イスラム国、イスラム経済
    ・国家の体制整備、独自通貨、行政機構整備、徴税、パスポート発行
    ・現金、石油の強奪、残虐手法で恐怖政治、手足の切断公開処刑
    ・資本の蓄積無い、一夫多妻で資本集中しない、人口増が大きな力
    ・ジハードがボスニア、イラク、シリア、イエメン、リビア、ナイジェリアなど
    ・他にシリア、イエメン、エジプト、ヨルダン、サウジアラビアも封じ込めの対象
    ・イエメン 内戦の危機 首都サヌア シーア派イランとスンニ派サウジアラビアの代理戦争
    ・サウジ イエメンに介入、地上軍投入も、戦闘機100機、15万人部隊。
    ・米 イラク北部ティクリートのイスラム国爆撃
    ・米 中東政策混迷深い 親米イスラエル、エジプトと対立
    ・シリアで攻勢続く、難民キャンプの9割制圧、アラブ圏、西洋から10代の青少年が考えず加わる
    ・イラク軍 「イスラム国」からティクリート奪還
    ・イスラム過激派「アラビア半島のアルカイダAQAP」はイエメン南部の軍基地を制圧
    ・国連事務総長報告 難民キャンプは地獄のどん底
  3. (3)中国
    ・「国家主権」最優先。水平より上下で国際関係を見る
    ・経済大国、軍事大国となり、オリンピック、上海万博成功で大国意識
    ・岐路に立つ中国経済、先進国と隔たり、広範な改革実行の可能性
    ・挑発的言動は限定的であり、教育によって反日感情は実体験で覆される
    ・大国志向強いが国内にリスクある
    ・米と肩を並べる新大国、日本がターゲットになる
    ・中国の輸出入シェア最大、生産基地から市場へ
    ・中露密接化、太平洋、地中海で合同軍事演習、天然資源、武器貿易
    ・中国雲南省とミャンマー東部少数民族戦闘
    ・資本の純輸出国へ定着
    ・インドネシアと会談 開発援助、貿易拡大、日を抜く
    ・AIIB 中国主導で57ヵ国  アジア開発銀行は67ヵ国
    ・軍制服組の追求広がる 江沢民の勢力排除
    ・中露地中海で軍事演習 中国海軍初の遠海大規模、次回は8月日本海
    ・重点10分野 ①次世代情報技術 ②デジタル制御の工作機械 ③航空・宇宙設備 ④海洋エンジニアリング ⑤先進鉄道設備 ⑥省エネ・新エネ車 ⑦電力設備 ⑧農業機械 ⑨新材料 ⑩バイオ・高性能医療機器
    ・ブラジルに6兆円超投資 インフラ、鉱業、製造業
    ・南シナ海 米中緊張感高まる 偶発的衝突の恐れ
    ・国防白書 日米に警戒感 軍事衝突に言及 米を牽制 10年国防費 5千億元 15年8千億元10%/年増 海軍回帰 ハワイ沖まで 海軍重視、陸軍反腐敗で拘束相次ぐ
    ・対中輸出低迷で東南ア景気減速感強まる インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール
  4. (4)アラブの春
    ・チュニジア-新憲法で分裂回避
    ・エジプト-選挙の新政権を軍が転覆
    ・シリア-政権側が内戦で巻き返し
    ・チュニジア-圧倒的多数で新憲法容認、イスラム過激派襲撃事件、死者23人
  5. (5)アフガニスタン
    ・世界中の過激派予備軍が入り込み、本国に戻りテロを起こす懸念
    ・治安先行き不安、NATO戦闘任務は10年続いたが終了、1.2万人駐留は続行
    ・責任を持つ当事者が不在である
  6. (6)日本の国際競争力
    ・ETF、TPP、FTA、などは慎重な対処が必要だ。AIIBには日本の能力が必要だ
    ・為替で明暗が大きい
    ・中韓、ASEANの貿易ウエイトは34%から43%へ、入国者は61%から77%へ
    ・途上国インフラで中国と協力する。ASEAN工事額年間6億$
    ・ASEAN 経済共同体 今年末スタート 6億人市場
  7. (7)EU、ユーロ危機
    ・ギリシャ問題、反緊縮政権で域内連鎖の予兆
    ・量的緩和、対デフレへ賭け。巨額の流動性供給で国際市場に波乱の芽
    ・域内統合の進展と相互不信の深化が同時進行
    ・4月 資金枯渇の恐れ
    ・アイルランド、イタリア、ポルトガルがなお不安定
    ・EU外相・国防相理事会で地中海密航業者に実力行使
  8. (8)ロシア
    ・新冷戦、保守化、経済悪化、ベラルーシ、グルジア、アブハジアを囲い込み
    ・石油収入積立金枯渇、反体制ネムツォフ氏暗殺、社会亀裂、市場ルール無い、公平性透明性ない
    ・プーチン政権はこの15年で側近が巨万の富を得た。メドベージェフの意欲、能力は疑問
    ・ウクライナでガス価格、量の交渉。爆撃など戦闘行為。東部独立の強硬論もある
    ・欧州安全保障の脅威となっている
    ・「反腐敗」運動 経済低迷下高官ら相次ぎ逮捕、巨万富のインナーは逮捕されない
    ・EU小国(ハンガリー、キプロス、スロバキア、チェコ)取り込み切崩し
    ・ウクライナ大統領親ロ派に強硬姿勢 極右派を軍の参謀総長顧問に任命
    ・金正恩 5月9日訪ロ
    ・バルト海沿岸国 LNG基地建設続く 脱ロシア
  9. (9)米・冷戦終結20年
    ・米と同盟国のみの世界秩序の管理は困難、米は要所に火種を残している
    ・日本は抑止力保ちつつ排外主義は避ける
    ・ロ中には民主主義の兆しがない
    ・今後地政学的利益が優先される。国家間の連携が重要だ
    ・キューバ カストロ氏と首脳会談
    ・日米首脳会談 ①TPP ②集団的自衛権と日米防衛協定ガイドライン ③沖縄普天間基地移設 ④歴史問題 ⑤対中、AIIB ⑥日韓、北朝鮮 ⑦対ロ
    ・米、湾岸6ヵ国会談 中東、米に不満浮き彫り イラン核協議で温度差
  10. (10)その他
    ・難民増加 ⇒イタリア、モロッコ⇒スペイン、リビア⇒ギリシャ、イタリア・シリア(イスラム国)⇒トルコ⇒ブルガリア・ギリシャ
    ・世界の債務膨張 2000年 90兆$、2014年 200兆$ 年率5.9%増
    ・トルコ 西欧市場へのガス供給プロジェクトの着工式を行った。トルコ動静は要注意だ。GDP伸び2.9% 内政混乱 資金流出 大幅利上げ 増税 干ばつ 悪天候
    ・北朝鮮 金正恩権力集中に腐心、就任3年 食料問題、核開発、経済再生、孤立目立つ
    ・ナイジェリア大統領選挙、野党候補が勝利宣言。アフリカ最大の産油国、汚職、原油収入行方不明
    ・イラン核協議 オバマ氏執念の合意 中東混乱に歯止め、サウジ・米同盟にきしみ
    ・東南アジアも「新常態」 タイ人口増失速 中国生産年齢人口減少 ミャンマーからタイへ出稼ぎ400万人
    ・インドネシア バンドン会議主宰 「大国」誇示 新興国主導の秩序主張
    ・ASEAN 南シナ海で深刻な懸念を声明 中国牽制
    ・イスラエル 5党で連立合意 ネタニヤフ首相 4期目に
    ・北朝鮮 潜水艦から弾道弾発射か
    ・ウクライナ 230億$の債務返済交渉 6月目標 デフォルト懸念
    ・フィンランド 「核のゴミ」世界初の処分場 地下450mに10万年間閉じ込める
    ・マレーシア・インドネシア ロヒンギャ一時7千人受け入れ
    ・シンガポール ゴー前首相 日中韓含む経済共同体 22億人 EUに比し1/3の一人当たりGDPを欧州並みに引き上げる
    ・エズラ・ヴォーゲル 国家戦略立案力向上、政治指導者の質が課題、 ①女性とシニアの労働者を増やす ②対中、対韓関係の改善急ぐ ③大学の質高め、イノベーションを図る ④国家戦略指導者の質を高め国際会議に参加する
    ・日本の競争力低下 27位へ 成長率、構造改革の恐れ
    ・日韓防衛相 4年ぶり交流再開 対北朝鮮緊密連携
Ⅳ.世界の主な経済連携
経済連携名称 参加国数 人口 GDP GDP/人 面積
    億人 兆$ 千$/年 千Km2
世界計 234 64.2 62.9 9.1 134.9
G7 7 7.3 31.6 43.4 21.4
(世界比%)   11 50 473 16
EU 27 4.9 16.1 32.6 4.3
(世界比%)   8 26 356 3
ASEAN 10 5.6 1.8 3.3 4.4
(世界比%)   9 3 36 3
CIS 11 2.7 1.9 7.3 22.1
(世界比%)   4 3 80 16
太平洋同盟 4 1.9 1.7 8.5 5.1
(世界比%)   3 3 93 4
南米南部共同市場 5 2.6 2.9 11.1 12.7
(世界比%)   4 5 121 9

CIS:アゼルバイジャン、アルメニア、ウクライナ、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ベラルーシ、モルドバ、ロシア
太平洋同盟:メキシコ、コロンビア、ペルー、チリ
南米南部共同市場:ベネズエラ、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、アルゼンチン

Ⅴ.参考図書
  1. (1)ブレジンスキー 「地政学で世界を読む」 1997
    ・米は1898年の米西戦争で主要地を制覇した。1914年には世界GNPの33%となった
    ・地理を知ればその国の外交戦略がわかるとナポレオンは云った
    ・領土以外の経済力、技術革新が大きな要因であり、日本が良い例である
    ・地勢上の重要国:地勢戦略を持ち、地勢上の要衝-仏独中ロ印、英日インドネシア、ウクライナ・アゼルバイジャン・韓・トルコ・イラン
    ・結論 米が唯一の覇権国、参加者は独仏中だ
    ・国際機関として、EU、NATO、ASEAN、ARF、APECがある
  2. (2)伊藤憲一 「新・戦争論」 2007
    ・紛争は私党間の乱闘から、内戦、国家間の戦争の諸形態に一貫している人間の闘争本能
    ・how to win peace 積極的平和主義を追求せよ
    ・警察官なしで大丈夫か。自衛、制裁の目的以外に武力の行使は許されない「不戦時代」だ
  3. (3)スティーブ・コール 「石油の帝国」
    ・1989年3月 アラスカ湾沖を航行中のエクソン社の「バルディーズ号」が座礁、24万バレルの原油が流出した。船長は年棒18万$、アルコール依存症で、夜勤前にウォッカを飲んでいた。沿岸警備隊の監視員はマリファナとアルコールを摂取していて氷塊と環礁の警告を発しなかった
    ・当時原油価格の下落で、エクソンは8万人馘首、環境対策ポスト廃止したことにあった
    ・ロックフェラーの遺産である規律、厳格さ、技術開発、情け無用の競争の伝統を具体化し、本社もダラスへ移転した
    ・2010年4月 メキシコ湾に浮かぶBP社の石油掘削リグ「ディープ・ウォーターホライゾン号の坑井が暴噴、深さ5,000フィートから推定500万バレルの原油が流出した。業界全体の安全文化に疑問を投げかけるような、リスクマネジメントにおけるシステム的な不具合を露呈した
    ・石油には多くの史実がある
  4. (4)梅棹忠夫 「文明の生態史観」
    ・インドとイスラム諸国は中洋である。
    ・①アーリア族一派のイラン、アフガニスタン。②トルキスタン系統のトルコ。③アラブ民族のアラブ諸国からなる。
  5. (5)よくわかる世界の紛争 毎日新聞
  6. (6)ペルシャ湾 横山三四郎
  7. (7)イラン日記 大野盛雄
  8. (8)佐藤優
    ・中東の情勢は分析不能、イラク、イエメン、リビア、チュニジアが統制不能、シリアはイランの支持で体制維持。エジプトもシナイ半島が内乱状態で秩序が回復していない
    ・中東の3勢力 ①アラビア語を話すスンニ派のアラブ諸国 ②ペルシャ語を話すシーア派のイランとアラビア語を話すシーア派のアラブ人 ③スンニ派でトルコ語を話すトルコ
    ・トルコ エルドアン大統領 米は警戒している
    ・核拡散の世紀が始まった イラン、サウジアラビア、パキスタン。 カタール、オマーン、アラブ首長国連邦
     他

資料
(1)主な紛争地一覧:85ヵ所
(2)世界の紛争マップ:地図
(3)世界の主な数字:難民、国の借金、貿易収支、外貨準備高、貿易収支、宇宙開発、国際コンテナ取扱、失業率、石油の生産・消費 貧困飢餓人口

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