「中国の歴史を学ぶ」
大泉 潤
趣旨
- 議論の材料を提供します。
- 今の世界は、米中欧日が牽引している。隣国中国は古今、広大な地域で、多くの民族が興亡を重ねてきた。
- 最近のメディアにも中国のニュースが多い。
- 一衣帯水の隣国は、どのような生い立ちかを学びたい。
- 底本として、山川出版社「中国史」を選んだ。
序章 「中国」とは何か
- 中国というまとまり
- 地理的空間としての中国
第1章 古代文明と邑制国家
- 中国文明の揺籃 ・中国古代の資料批判と考古学 ・旧石器時代
- 殷王朝 ・甲骨文の語る殷代祭祀 ・殷王と諸侯
- 西周王朝 ・周族の興起 ・周公旦
- 春秋戦国時代 ・周の東遷 ・楚の北進と中原の覇者
第2章 皇帝支配の成立
- 邑制国家の崩壊-戦国から秦へ ・戦国の七雄 ・変動する社会
- 始皇帝の登場-秦帝国の成立と滅亡 ・統一国家の成立 ・中央集権の専制国家
- 漢帝国の成立と発展-前漢の時代 ・「天子」と「皇帝」 ・郡県制から郡国制へ
- 漢朝の再興-新と後漢 ・符命革命 ・王莽政権の崩壊 ・政治・経済の復興
- 分裂の時代-三国 ・黄巾の乱 ・三国鼎立
第3章 帝国の分裂と再統合
- 南北朝の成立 ・西晋の中国統一 ・胡族勢力の台頭
- 北朝政権の伸長 ・南朝政権の推移 ・北魏の漢化政策
- 隋唐帝国の登場 ・隋王朝の興亡 ・唐の成立 ・隋唐と律令体制
- 唐朝の衰亡 ・玄宗朝の繁栄と安史の乱 ・律令体制の解体
- 隋唐の国際関係と文化 ・隋唐帝国と周辺諸民族 ・交易と交流 ・隋唐の文化
第4章 東アジアの変容
- 五大十国と宋朝の成立 ・五大十国という時代 ・宋代君主独裁政治の特徴
- 宋代の社会と経済 ・農村と農業 ・都市と商業 ・北宋の財政政策と社会編成
- 王安石の新法と北宋末の政治 ・新法 ・新旧両派の争い
- 北方民族の台頭-遼と西夏 ・遼朝の興亡 ・西夏の興亡
- 南宋と金の抗争 ・金朝の成立と華北の獲得 ・南宋政権の推移 ・宋の文化
・金の政治と社会 - 大元ウルスの出現 ・元代中国史をどう見るか ・クビライのクーデター
・李璮の挙兵 - 中華の再統合と陸海の巨大帝国 ・襄樊の興亡 ・南宋の吸収
・アジア各地への進攻 - ユーラシア大交流と変わりゆく中華 ・新型の国家建設 ・経済立国と重商主義
・中華風の官僚機構とその中身 ・大型の地域ユニットと多種族複合社会
・地球規模の天災と大元ウルスの解体
第5章 中華帝国の繁栄
- 明帝国の成立 ・朱元璋-流浪僧から皇帝へ ・明帝国の建設
・対外発展とその収束 - 明末-激流の時代 ・明代後期の風俗変化 ・北虜南倭と銀の流れ
・政治抗争の季節 ・「民衆」の登場 ・明末江南の都市文化 - 明から清へ ・周縁勢力の成長 ・窮乏農民の反乱
・清朝支配の確立-周縁諸勢力の決勝戦 ・康煕帝と清朝の平和
・清朝皇帝の二つの顔 - 清中期の盛世-拡大と破綻 ・ヨーロッパから見た中国 ・「十全老人」乾隆帝
・国際環境の変化 ・盛世の勘定書-嘉慶白蓮教の反乱
第6章 動揺する中華帝国
- 清朝支配体制の危機 ・アヘン問題と南京条約 ・上帝崇拝と太平天国
- 内乱と「中興」 ・地方の武装化と社会秩序の再編
・宮廷クーデターと「同治中興」 - 中華帝国の再編と国家建設の構想 ・「近代化」と伝統的社会秩序
・日清戦争の衝撃 - 清末の改革から革命へ ・東アジアの国際関係 ・革命運動と民族主義
第7章 中華復興の試み
- 民国の創建 ・辛亥革命-東アジア初の共和国樹立 ・第一次世界大戦と五・四運動
- 国民革命と国民政府 ・国民党の改組 ・蒋介石政権の全国統一
- 救国のうねり ・柳条湖事変と東北喪失 ・盧溝橋事変から第二次世界大戦へ
- 冷戦と戦後中国 ・国民政府を巡る内外環境 ・共産党の政権への道
第8章 人民中国の光と影
- 中華人民共和国の成立 ・統一と富強を目指して-新中国の成立
・向ソ一辺倒政策の採用 -
急進政策の展開とその破産 ・過渡期の総路線の提起
・毛沢東型政治の特徴-一列横隊主義 ・平和共存への模索
・反右派闘争から代位躍進へ-人民公社化運動 ・経済調整政策の採用へ
・毛沢東の反撃-文化大革命の開始へ ・プロレタリア文化大革命の嵐
・林彪事件から第一次天安門事件へ ・中ソ対決から米中関係の改善へ -
現代化への道を歩む中国 ・「四人組」の逮捕と華国鋒政権の登場
・鄧小平体制の確立へ・改革・開放路線の進展 ・独立自主の対外政策
・民主化運動と天安門事件-挫折した政治改革 ・社会主義市場経済化の試み -
未完の中国統一 ・香港の主権返還 ・中国の台湾工作 ・チベット問題の行方
・12億人の接着剤-愛国主義への傾斜 ・21世紀の中国の課題
終章
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メディア情報をどう理解するか
・経済 ・軍 ・外交 ・習 ・対日 等 -
参考文献
陳舜臣「中国の歴史」 M.ピルズベリー「China 2049」内田樹「街場の中国論」他
以上