サロン21 討論メモ 「中国の歴史を学ぶ」
平成28年06月21日
〔1〕.当月は、中国の歴史について数多くの図書や文献に当たられつつ、猛勉強をされてきた大泉潤さんに、長い歴史の要点をパワーポイントにて詳細にご説明いただきました。
また、豊富で綿密な資料に基づき、特に興味深い歴史上の出来事や言い伝えについてもご紹介をいただきました。良く知っているようで、知らない中国の歴史を学び直す機会となりました。
〔2〕.続いて大泉さんと出席者13名との間で下記などに関しての質疑応答や意見交換が行われました。
大陸国家の中国にとって、海とは何だったのか? 近年になって急に海に関心を持ち始めたのか?
中国では頻繁に王朝が交代してきたが、興亡に一定のメカニズムがあるのか?
腐敗、飢餓に大平道や白蓮教などの宗教に先導された農民反乱が起こり、ついには外敵の侵入を許して滅びるパターンが続いた。
中国とは漢字文化圏のことか?
そもそも漢民族とは何か?満州人や蒙古人も漢民族か?
中国人は世界中に羽ばたいている、大変な勢力だ。
中国は得体の知れない巨大なドラゴンだ。
長い歴史の伝承や教育が中国人のベースにあるのではないか。
華僑は中国に忠誠心や共感を持っているのか?
海外華僑の忠誠心は中国にあるのか?
それともそれぞれの生まれた国にあるのか?
共産党独裁の中国では、国家よりも党が上位にある国。したがって党員は国より党に対して忠誠を尽くす。
党員も一般人民も国を信用していない。信頼できるのは金と親族だけである。
今日の中国の経済発展は米国の戦略に端を発している。ソ連崩壊後は日本の経済力を脅威として1989年より日米構造協議を開始して、日本の国力衰退を測る一方で、中国に投資して日中の経済力のバランスをとってきた。
しかし、この数年、米国の対中観は変わり始めている。
米国が中国に対してダンピング法を厳しく適用し始めると、中国は大混乱する。
中国は過剰設備を抱え、早晩、大不況が来るのではないか。
中国社会のモラルは低く、腐敗が横行し、極めて不安定である。
農村戸籍に代表されるように社会の格差は酷い。
中国の経済発展は認めるが、量的な優位であって、質的な革新は無いのではないか?
中国が受け入れた外国文化は仏教だけと言える。その仏教も自分なりに大幅に修正して受け入れた。
今後とも中国はグローバルな価値観やルールをそのまま向け入れることはないのではないか。
〔3〕「中国は、日本人が心配しなくても、ちゃんとやって行く」という意見も出た。とはいえ、とてつもなく大きな領土と人口を抱えた隣国である。一朝事ある時は、深刻な影響を被ることは必至である。冷静にかつ強い関心を持って見つめて行く必要については、出席者の意見の一致を見た。
以上