サロン21 討論メモ 「第四次産業革命と社会・経済」
平成29年1月17日
〔1〕当月は、野瀬隆平さんに、頭書に関して、配信済みの資料とパワーポイントを使用しての解説をいただいた。
①AI(人工頭脳)とは何か?
②AIの進化が社会経済に与える影響、消える職業、生まれる職業とは?
③社会の変化に対して、金融・財政・税制はどう対応すべきか。
などに焦点を当てて、広範な書物・学説の紹介をいただき、さらにご自分の見解についての説明をいただいた。
〔2〕続いて出席者13名による自由な討議に移り、下記のような意見が出された。
- 消える職業には、肉体労働ばかりではなくて、かなり高度の事務、例えば銀行の融資業務、弁護士用務なども含まれる。
- 銀行の融資担当業務はなくならない。おもてなしがないと商売にならないからだ。
- 事務労働の中所得者が頭脳労働の高所得者と低所得者に分かれるのではないか。
- 全人口の1割しか働かない世の中になるとの説もある。
- 賃金を上げ、ワークシェアリングをしていかざるを得ないのではないか。
- 安い労働力を求めて中国、ミャンマーなどに工場が移転してきたが、もうその必要はなくなる。
- 1万年前の農業革命から人間はおかしくなったという説もあるが、働かなくてよいとなるとどこで人間は幸せ感をつかむのかが課題となる。
- AIで仕事がなくなり、暇な人はどう時間を過ごすのか。
- AIが進化して世の中が変われば、人間も対応して新しい職業が生まれるのではないか。
- 労働を金で買う思想から離れ、労働と金を分離する価値観が必要だ。
- グローバリズムの進展で均質化が進むと、人間は逆に多様性を求め、ナショナリズムに回帰するとの説があるが、現在の反グローバリズムの動きは正にこれではないのか。
- 人の為になっていると感じることで初めて人間は満足感を得ることができる。この点がロボット時代の課題になるのではないか。
- AIの根っこのdeep learningの考え方は50年以上前からあって、本質は変わっていない。
- AIが人間を超えるのは、まだまだ先の話ではないのか。“生命が意思を持つこととは何か”すら、全く解明されていないのに、2045年にsingularity が起こるとはとても考えられない。
- soft が重要になる。日本は人材が不足しており、教育を急ぐべきだ。
- AIの研究開発にもっと積極的に投資すべきで、また、人材教育を進めるべきだ。
- 豊田工業大学のシカゴ校には、残念ながら日本人の生徒がいない。
- プログラマーの能力格差は大きい。優秀なプログラマーを育てないと、ここで勝負がついてしまう。
- 人間の知的能力の格差は肉体の格差よりもはるかに大きい。
- エネルギーと資源は有限なので、配給制にすべきだ。
- 量子コンピューターが出現すれば、コンピューターは飛躍的に能力が増し、価格は安くなる。
以上