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サロン21

サロン21 討論メモ 「おさらい トランプ政策『米国第一』」

平成29年3月21日

〔1〕当月は、斎藤征雄さんにプレゼンテーションをしていただき、トランプ新大統領の政策について考えてみました。就任演説に対する社説を中心として日本の五大紙が伝えるトランプ評を斎藤さんに纏めていただき、これを参考にしながら、トランプ新政権の経済・通商・外交安保・移民ほかの政策の実現性や世界に与える影響などを討議しました。

〔2〕出席者10名より下記のような意見が出されました。

  • トランプ大統領はレーガン元大統領を意識して、大減税や大型インフラ投資を打ち出している。
  • 日本のメディアも世界のメディアも「米国第一」を批判するが、自国の利益を最優先するのは極く自然の政策で、非難は当たらない。
  • しかし、“自国第一”では世界の協調を目指して努力する人類の知恵を崩してしまう。
    米国の利益を保護する政策を打ち出そうとしているが、米国の競争力をそぐ結果になるのではないか。
  • 革新に対する怠惰を招くのではないか。
  • 米国は革新の国だ。政権が変わっても、革新の精神は不変だろう。
  • “自由貿易は尊重すべき”、“保護主義は悪”といったイメージが先行しているが、中身を検討する必要がある。自由貿易の象徴とされる“TPP”も“NAFTA”もブロック経済の形成に他ならず、見方を変えれば、保護主義の典型だ。
  • 自由競争は格差を拡大してきただけだ。
  • トランプ大統領はTPPや環境問題など、米国が推し進めてきた政策を変えようとしている。
  • 大減税、インフラ・軍事の拡大は財政の大赤字を招くのではないか。
  • しかし、思惑通りに経済が浮上すれば、税収の大幅増加が期待できる。
  • 大統領選に勝利するためにバラ色の選挙公約をばら撒いてきたが、これからは現実の政策としてどこまで実現できるかが問われる。
  • トランプ相場で世界の株価が上昇しているが、継続性はあるのか、疑問だ。
  • 金利が極端に低いレベルに張りつく一方では、3-4%の配当をする企業が目立ってきている。株はまだ上昇の余地があるのではないか。
  • IOTによる第四次産業革命が始まっている。株も大幅に上昇する可能性がある。
  • 自動運転が実現すると、自動車産業の主役がグーグルなどのIT企業にとって代わられる可能性もある。
  • 医療も画期的な転換が起こりうる。
  • WASPの人口構成比が五割を切ってきた。米国がどんな国に変質して行くのか、WASPの恐怖感が大きいのではないか。
  • WASPはオバマケアに反対している。有色人種、異教徒の大量移民が医療保険や失業保険を食いつぶしていると不満に思っている。
  • トランプ大統領はEU各国にEUからの離脱を進めているが、EU解体は人類の未来にとってプラスか、疑問だ。
  • トランプ大統領は国民との対話に新しい手法を用いている。大手メディアは使わず、自らツイッタ―で発信する。毎朝、トランプ大統領のツイッタ―をチェックする人が増えて、米国民の間に浸透し始めている。
  • メディアの偏向報道は酷い。
  • メディアも不偏不党ではない。ツイッタ―もメディア報道も真贋を見極める読者の姿勢が大事だ。
  • 環境問題は複雑な要素がある。温暖化の原因を炭酸ガスの増加と単純に結びつける風潮は、科学的ではない。
  • 経済成長の妨げになると一般的に理解されている環境規制が、むしろ、経済成長に貢献しているという説もある。
  • トランプ政権の行方は不透明だ。日本はべったりでなく、距離を保つべきだ。
  • 中国は世界支配をねらっているという元CIAの報告もある。安全保障の観点から米国は中国に厳しく当たるのではないか。

以上

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