「日本の人口減少と移民について」
〔1〕当月は、下山健夫さんにプレゼンテーションをお願いして、頭書について考えてみました。
人口の減少と高齢化が進み、GDPの維持が難しくなってきていること、
- 数年で、
- 65歳以上の人口が三分の一を超えること、
一極集中の東京でも人口が減り始めること、
AIを中心に人材が大幅に不足すること、
やがて、地方では銀行やデパートが維持できなくなること
など種々の問題発生が予測されるとの説明があった。
また、ドイツなど欧州における移民を活用した労働力確保の現況についても解説があった。
〔2〕引き続いて出席者11名による質疑応答と自由な討論が行われ、下記のような意見が出た。
- 人口減少と云う現象を余りにも悲観的にとらえ過ぎではないのか。プラスとマイナスの両面がある筈で、冷静に対処すべきだ。
- GDPの維持にこだわる必要はない。
- 未来永劫に減少が続くわけではない、いたずらに問題視せず、自然の成り行きに任せるべきだ。
- 人口の減少は大問題だ。国家が存亡の危機に瀕していると理解すべきだ。
- 老人は未来へのレールを敷いてから消えるという責任がある。
- 日本の子供人口が最も多かったのは1954年だ。人口減少は50年前に始まっていたと言える。今、人口問題を考えることは50年後の社会の選択でもある。
- 人口減少の根っこには、国民の未来に対する不安がある。福祉の改善が必須だ。
- アベノミクスでも、人口問題では社会主義的な進歩的施策が多い。
- ITにもいろいろの分野があるが、最先端の人材が特に弱い。
- ここ数年で、IT分野の求人が急増し、需給のバランスが崩れた。中小企業では人材を確保できない状況だ。
- ロボットが労働力不足を補ってくれるはずだが、日本は安全基準などの規制が多くて、産業用ロボットでは立ち遅れている。
- 出生率が低いのは社会制度の問題だ。旦那の給料を上げて、専業主婦を増やすべきだ。
- 戦後は、理想の人口は5千万人と云う説だった。8千万人ぐらいで丁度良いのではないか。
- 社会保障がアンバランスではないか。高齢者を優遇し過ぎている。
- 子どもを甘やかし。大事にし過ぎている。
- 子供が勉強しなくなったら国家は衰退する。
- 地方では過疎化で苦しむところもあれば、特色を活かして活性化しているところもある。
- 少子高齢化が進み、非生産人口の比率上昇が経済の足かせになっている。
- 企業も個人も十分な貯金を持っている。なぜ投資しないのかが問題だ。
- 内部留保税を課すべきだ。
- 欧米は移民の活用で労働力不足を補ってきた面もあるが、英国のEU脱退、米国大統領選挙を見ても移民問題が欧米の社会を苦しめている。
- スポーツの世界ではグローバル化によって互いのレベルが向上しているのではないか。
- オーストリー/イタリ―の国境で厳しいパスポート審査が行われているのを目撃した。EUの域内自由通行の建前と実態は違う。
- ベルギーやドイツでも移民によって治安がもの凄く悪化している。
- 各国とも移民は移民だけの集落を形成し、現地のコミュニティーとの融合は難しい。
- 日本は島国でグローバル化は慎重に行うべきだ。
- 特定外来生物法によって、生態系を乱す恐れのある生物の不自然な移動が制限されている。人間も急激な移動には慎重であるべきだ。
- 移民の子が日本語を話すと親近感を覚える。日本語を習得できる体制を充実させるべきだ。
- 山形の酒田短大は全員中国からの留学生だが、学校に通わず東京でアルバイトをしているのが、実態だ。
- 日本は四囲を海に囲まれて、かけがえのない文化と歴史を育んできた。この文化を維持して行くことこそ、国際貢献だ。