「社長退任後の相談役・顧問について」
〔1〕当月は、上原利夫さんに、ご自身で執筆された
第一部 国の象徴
第二部 世間の営み
第三部 会社の象徴
からなる論文を参照しながら、頭書についての長年にわたる観察と研究の結果を、独特の企業分析をまじえながら詳細に御説明いただきました。
観察によれば、良い会社には、
象徴としての天皇陛下の存在を評価する姿勢、
世間の慣行を取り入れ、とりわけ神社を尊崇する姿勢、
があるとの説を御披露いただきました。
社長退任後の相談役・顧問については、会社の象徴となる例は少なく、殆どの場合が弊害になっていることを例あげるなどして詳しく御説明いただきました。
〔2〕引き続いて出席者9名による自由な討論が行われ、下記のような意見が出ました。
- 相談役はなくても良い会社がほとんどだが、先輩を切るのは難しいのが実情だ。
- 取締役相談役の場合は、緊急時には社長よりも重い責任を取ることができるので、有用である。
- 退任しても、尚、相談役に留まるのは、人間として貧しい。仕事一本やりで可哀そうな人生と云える。
- 監査役も社長から任命された人がほとんどで、監査役としての働きを封じられた“閑散役”である場合が多い。
- 社長自身が監査役になる企業は賢い。優秀なオーナー企業に多い。
- 会社には社長を抑える、或いは超えるものが必要、それを天皇陛下、神社に求める企業が少なくない。
- 神社は今後もなくならない。
- 祭りはますます盛んになっている。また、神社の経営している学園で生徒数が急増している例もある。
- 最近は大企業の不祥事が相次いでいるが、強化されている筈のコーポレート・ガヴァナンスが効果をあげていない証だ。
- 社長に必須の資質である公共性と倫理観を欠いている社長が多くなってきている。
- 日立・東芝などを見ると神社観など企業文化に相違があるようだ。企業文化を育むには百年は必要だ。
- 出光の合併問題は、通産が絡んでいるようだが、企業文化があまりにも相違しており、無理な合併はやめた方が良いのではないか。
- ドンキホーテなど若い企業が急成長している。成長に合わせたシステムが間に合うのか心配だ。
- 大企業を辞めて起業する若者が増えている。時代の流れだ。
- サラリーマンが定年まで勤め上げる文化はこれからも大事ではないか。