「日本の経済予測と問題点、および解決策のタタキ台」
- 〔1〕
- 当月は、山縣正靖さんに配信済みの資料に基づくプレゼンテーションをお願いし、ご自身で開発された“山縣モデル“による経済予測を中心に、日本経済の問題点などを御説明願った。
- ①2019年までの経済予測として、名目2.7%程度の緩やかな成長が見込まれること、ただ、トランプ大統領発の貿易戦争のリスク、アベノミクスの出口戦略の必要性なども指摘された。
- ②次の景気の下降期としては五輪後の2021年が警戒すべき年で、大型の設備投資やM&Aは慎重を要する。
- ③日本経済に立ちはだかる難関として、
少子高齢化、
財政赤字、
国債暴落のリスク、
価格競争力、製品開発力の劣化
を指摘され、その対策を討議することを提案された。
- 〔2〕
- 続いて出席者9名から以下のような意見が出されました。
- 企業経営にとって重要なのは名目の成長率だが、国際比較には実質の成長率が必要となる。
- 経営者の予測は3年では短い。少なくとも5年先は見る必要がある。
- 経済の質的な変化が激しい。過去の景気循環、成長モデルの手法は、今後は通じないのではないか。
- AI,IOTなどにより今後は仕事の内容が革命的に替わる可能性がある。
- 過去のモデルに手を加え、新しいモデルに作り替える必要がある。
- M&Aは単に企業買収に留まらず、日本にない発想を抱え込むことでもある。
- 日本企業はM&Aの経験が少なく、交渉下手で、しばしば高い買い物をしてしまう。
- 世界的に格差が広がっている。最大の問題だ。
- 格差は怖い、国の転覆につながる。
- 格差の拡大は資本主義の宿命ではないか。
- 社会主義的な政策を加味して修正する必要があるのではないか。
- ワークシェアリングやベイシックインカムの導入も検討されるべきだ。
- 日本国内でも、会社役員の高給や不正規労働者の増加で格差が広がっている。
- 不正規労働者の多くは将来生活保護を受けざるを得ないのではないか。
- 日本に本当の意味の格差はあるのか?
- シングルマザーなどは自ら選んだ道の筈だ。甘やかし過ぎない方が良い。
- 資金力がないと東大にも入れない。
- 企業を目指す若者が増えている。
- アメリカの過去の繁栄は移民によるところが大きい。
- 中国は産業スパイなどを使って安いコストで製品開発をする。
- 中国は旅客機、半導体、原発の開発などで実績を積み上げている。
- 中国性悪説が多いが、一人当たりGDPが日本の半分ぐらいまで達すれば、中国人の態度も変わるのではないか。
- 中国を褒める日本人は少ない。撤退が事実上難しい、考え方が合わない。
- 中国とは胸襟を開いて付き合えない。
- トヨタの中国進出も慎重にやるべきだ。
- 今年に入って世界の金融資本が中国に厳しい目を向け出した。世界は中国封じ込めに向かい始めており、潮目が変わったのではないか。