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サロン21

「アベノミクスは是か非か、大論争」

〔1〕
11月は、山縣正靖さん、鳥海博さんの御両氏にアベノミクスの来し方と今後の展望を、財務省、日銀の発表資料、及び御両氏作成のレジメなどを基に、語ってい頂きました。
両氏にニュアンスの差はあるものの、景気の持続的拡大、円安と企業業績の大幅改善、失業率の低下など過去5年のアベノミクスの成果は大いに評価される、ただ2%の物価目標は到達のめどが立たず、財政再建、金融異次元緩和の出口戦略には方向性が見えないままであり、今後の運営は極めて厳しい、との基本認識では一致されていました。
〔2〕
引き続き、出席者12名から以下のような意見が出されました。
  • 従来の日銀幹部には“通貨価値の番人”という意識が強固だったが、外部から来た黒田総裁には、その観念が薄く、デフレからの脱却が最大の目標だった。
  • 黒田総裁は未だに景気後退を最も恐れている。
  • 黒田総裁は2年で、通貨供給量を2倍にし、2%の物価目標を達成する、などインパクトのある標語作りが上手だ。

  • アベノミクスは大成功だ。景気拡大、業績改善、失業率低下など画期的な結果を出している。
  • 失業率が2%台と云うのは、大変な社会貢献だ。
  • デフレは20年以上続いてきた。それを2年で解決すという目標設定がおかしかったのではないか。時間軸が折り合っていない。
  • アベノミクスの批判は簡単だが、ではどんな対案があるのか、具体的に示すべきだ。

  • 安倍外交の功績は大きい。しかし、アベノミクスの評価はまだ分からない。
  • 安倍政治は金融、外交では大いに成果を上げたが、外国人労働者の受け入れ 法案など内政では疑問も多い。

  • 不動産バブルなどが懸念されている一方では、異次元緩和にもかかわらず、銀行貸し出しは増加していないという指摘もある。
  • 業績改善で、企業も個人も金融資産が大幅に改善しているのに、設備投資、消費が伸びない。デフレマインドから脱却できていないのではないか→確かに、国内の設備投資は伸びないが、海外では増えているし、M&Aも進んでいる。日本企業は賢く対応している。
  • 日本企業はM&Aにより海外からの配当で潤う体制に入っている。

  • M&Aの成果が華々しく報じられるが、成功例は2割程度ではないか。
  • 大手製薬会社では、M&Aを視野に外人経営者を雇い入れているが、先行きは不透明だ。
  • 企業はM&A政策を見直すべきだ。

  • 近年の経営者は、スケールが小さく、自分の企業の利益ばかりに関心があり、国益を考えていない。
  • リストラで成功した経営者が多く、新製品開発意欲が消えている。
  • 国内の研究開発、設備投資を誘導する施策を政府は打つべきだ。
  • 日本企業はGAFAのようなプラットフォームづくりには乗り遅れた。
  • 企業業績も“力”から“情報“の時代になっている。“力”なら皆が協力すれば対抗できたが、“情報”戦では、凡人が束になっても、一人の傑物に敵わない。

  • 企業経営にも日本の文化を維持して行くことが大事。日本の昔話を孫にプレゼントしたい。
  • 軍需産業はいろんな意味で重要。MRJは苦戦しているが、頑張ってほしい。

  • 元財務省の高橋洋一氏によれば、10月のIMFレポートでは、各国の財政状況が、負債と資産のバランスで分析されている。それによれば、日本は負債も大きいが資産も大きく、バランスとしては悪くないと評価されている。
  • 政府の負債高だけを取り上げて不安を煽るのは、増税をもくろむ財務省の手口ではないか。

  • 日銀は目に見えない形でばら撒いた資金の回収を図っている
    (これを公にすると、金融市場に大混乱が起こる)

  • 日銀保有の国債は市場には戻さない(償還期が来たら借り換える)。
    (そうすると年額40兆円くらい、保有国債が増える)。
    でもそれらを、機を見て新設の特殊機関(「国債保有機構」)に移し替える
    (近くは国鉄の例がある)

  • 日本では、金利水準は2%にはならない(企業も家計も金余りなので)。
    (0.1~0.2~・・・05%)。これは物価水準(指数)が上がらないのと軌を一にする。
  • 金利収入が期待できないのと物価が上がらないのと、国民にとってどっちがいいか?
    国民の選択は後者であろう。この方が、生活が楽である。

  • 日本にインフレは来ない。(為替が暴落しない限り)。
    (日本の国力は世界第二位である。国民が賢明であるから)

  • 米国に平和憲法を押し付けられた。結果として愛国心が薄れている。このままでは、いざと云う時に国を守れるのか、心配だ。
  • 平和第一主義の弊害が出てきている。
  • スバルは中島飛行機の流れをくむ会社だが、同社の精神がスバルの現役社長からは感じられない。
  • 神戸製鋼の不祥事も、企業文化に緩みがある。現場を知らない経営者が増えているが、現場主義に戻るべきだ。

  • 日本の経済は極めて好調だ。にも拘らず、若者が海外に出たがらないのが心配だ。
  • 若い女子だけで飲み会をやっている。男子が、元気がない。
  • 職人が足りないので、屋根の修理も思うに任せない。
  • 日本は豊かで平和である。じたばたせず、じっとしているのが良い。

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