「航空管制について」
〔1〕5月は、杉浦右蔵さんに、現役時代にご自身が深く関与された「航空管制について」お話をいただきました。
最初に、管制官と飛行中のパイロットの無線管制やり取りを記録したものを、YOU-TUBEで見た後に、
昭和40年代に連続して発生した航空事故の反省から、全土に16のレーダー基地局を設置し、日本の空にレーダー網が完備された歴史、
高度な電波技術によって構築されており、管制官が画像表示装置に表示された航空機位置情報、必要により無線交信で管制するシステムであること、
用語の統一を始めとして国際ルールに則ったシステムであること、
などを詳細にご説明いただきました。
〔2〕引き続き、出席者8名から以下のような意見が出されました。
- 関東地方をカバーしている所沢の航空交通管制部は、関東地区に同時に最大700機まで飛ぶことを想定して40年前に設計された。(その後、能力アップされているかもしれない)
- 日本の空のあちこちに米軍の管制空域があり、民間機の飛行が制限されている。
- 特に羽田への進入に関しては米軍空域が邪魔になって離着陸数を増やせないために、五輪中には特例を設けるように米政府に申し入れている。
- 米軍への空域の供与は、日米地位協定付録書に基づくものである。
- 電波についても、日米地位協定に付随する付録書取り決めによって、使いやすい領域が米軍によって抑えられている。
- 同じ敗戦国の独伊の現状はどうか。拘束されていない。
- 自衛隊の管制空域もある筈だが、公表されていないようだ。
- 五輪までに開設される羽田空港新ルートは上皇仮御所の上空を通るようだ。かなりの騒音が心配される。
- いまも一坪地主が残っている成田闘争は国益にかなっていたのか。
- 成田という土地選択が間違っていたのではないか、もっと遠方でも新幹線を通せばよかった。
- 反対の為の反対だから、土地選択は関係なかったのではないか。
- 飛行機事故の50%以上は操縦ミスだが、20年前の70%からは大幅に減少している。
- しかし、事故を防ぐソフトの一層の開発も必要だ→、今度のボーイングの連続墜落事故はソフトが逆作用したとも言われている、ソフトの開発も慎重に進めるべきだ。
- MRJは許可の取得に苦戦しているが、米国の人材の確保や米国企業への販売権の付与などの戦略が必要だったのではないか。
- かつては日本発のトロンの技術も潰された。
- 滑走路は150-200トンの飛行機が頻繁に乗り降りする。5Mぐらい深いところから整備されている。