「現代貨幣論(MMT)を考える」
〔1〕7月は、野瀬隆平さんに、今、話題のMMT 理論について解説頂きました。
- ①お金は使っても減らない?
- ②通常の取引でお金の量が変わらないとすると、どんなことで増えるのか。
- ③お金に対する基本的認識。
- ④政府による借り入れでお金が増える具体的な流れ。
- ⑤現代貨幣理論(MMT)の要旨
などにつき、貨幣に対する今までの常識とはかなり異なる理論の特長をご説明いただきました。(詳細は野瀬さん作成の追加資料をご参照ください。)
〔2〕引き続き、現代貨幣に関する新しい考え方に対して、出席者13名より各自の受け止めを述べつつ意見交換を行い、以下のような意見が出された。
- MMT は、Modern Money Theory の約だが、Modern はMoneyに架かっている。
- お金を使えば、その個人のお金は減るが、受け取った人のお金は増えている。
- 日本全体に出回っている現預金は1300兆円だが、流通している有形の現金は100兆円のみである。現代貨幣は銀行が通帳に数字を書き込むだけで創造される。
- 財政支出の増大、国債の暴落が心配されるが、実際には国債残高が増えても金利は下がっている。
- 財政支出と経済成長をグラフに取ると各国とも見事に相関している。経済成長の高い国は財政支出も大幅に伸びているが、日本は支出が伸びず、成長もしていない。
- 財政支出増大と云うと、すぐにハイパーインフレが心配されるが、供給力が需要を上回っている日本の現状からは、ハイパーインフレは起こらない。
- 私たち世代は、親が経験した戦争もハイパーインフレも経験していない。インフレは注意すべきだ。
- シュリンクフレーションというものがある。値段は据え置いて内容量を減らすもので、ビスケットなどでは5年で5割実質値上げした例もある。物価統計には反映されている。
- 江戸時代の経済成長を可能にしたのは、改鋳による貨幣供給があったからだ。現代貨幣論に通じる。
- 国債=個人の負担ではない。国家財政を家計に例えるのは誤りだ。
- 高齢者にはデフレは心地よいが、若者の為にはならない。
- ペシミズムが横行して若い女性が子供を産まなくなっている。財務省は国の借金を宣伝すべきではない。
- そもそも、日本は国の負債も大きいが、資産も大きくバランスしている。IMFの昨年10月のレポートでも、日本の財政はバランスしており悪くはないと評価されている。
- MMT理論では、財政赤字は民間の黒字と捉えている。
- 雇用は改善されたが、これからは最低賃金を上げて行くべきだ。
- 安定した政権と経済政策が重要だ。デフレも短期間では解決できない。
- これからはFACEBOOKのリブラなど仮想通貨が急速に普及する。
- 国家の金融政策が成り立たなくなるし、国家の通貨発行権を脅かすもので、必ず規制されて、普及はしない筈だ。