「米中対決と日本の道」
1.2月は表題について、感染拡大中のコロナ・ウイルスの影響も併せて考えてみました。
最初に森田から配布済みのレジメに沿って、
- A.米中関係の歩み
- ①米中蜜月時代
- ②中国の変化
- ③中国封じ込め政策への転換
- ④米国の台湾政策の劇的な変化
- B.日本の対応
- C.コロナウイルスの感染拡大の影響
についての報告がありました。
天安門事件以降、25年続いた米中蜜月時代から、この3年あまりは米国の対中政策、台湾政策は劇的に変化して中国封じ込みに転じました。そこにこの度のウイルス騒ぎで世界の中国離れが加速されています。日本は、中国に対する甘い対応を取り続けていることに対する強い危惧も指摘されました。
2.続いて、出席者6名による自由討論に入り、下記のような意見が出されました。
- なぜ、中共政府は世界制覇を目指すのか?
- 中国国内を抑えるには、そうした目標が必要ではないか。
- 中国人民にとっても、心地よいスローガンではないのか。
- なぜ、当初は弱体といわれていた、習近平はかくも強大な権力を握れたのだろうか?
- 中共政府は権力争いばかりしているが、それでも50年、100年の一貫した国家戦略を進めている。日本に全く国家戦略がないのはなぜだろう。
- 日本には英米のようなシンクタンクがなく、官僚がその役割を担っていたのではないか。官僚の地盤沈下と質の低下が残念だ。
- 日本の科学技術が停滞している。国家予算を傾斜して科学技術の分野に振り向けるべきだ。
- 大学を独立行政法人にしてから、若い研究者が定着できなくなった。
- かつては経営者からの献金も多かったが、今やそうした経営者がいなくなっている。
- 短期の利益を追求され、経営者も余裕がなくなっている。
- 企業の基礎研究も減っている。
- 必要なところに必要な金が回らない。日本の平等主義の悪しき弊害だ。
- 日本には独自技術がたくさんある。技術の流出に注意しながら強みは活かしていけばよい。
- 米中の土俵で戦っては負ける。自分の強いところで戦えばよい。
- 米ソは核戦争を回避するために、核軍縮合意を結んでいたが、AI戦争などを想起した場合に米中の合意は成り立つのだろうか?
- deep learning は騒がれているほどの成果は上がってないのではないか。
- big dataを活用するので、いずれ新しい真理が出てくるのではないか。
- GAFAも新しい価値を創造しているわけではなく、広告料で儲けて、既存の企業を圧迫している。
- 証券会社もネットの勢力が増している。
- 証券マンの勉強も足らず、説得力も落ちているのではないか。
- 米中対決は日本にとってはよいことだ。慌てず成り行きを見守ればよい。
- 洞ヶ峠を決め込むのではなくて、日本の態度を鮮明にすべきだ。
- 習近平の国賓来日をなぜ断らないのか。
- 中国側が断るのを待っていればよい。
- 米英をはじめとして、世界各国はいち早く、中国からの入国拒否、中国在住の自国民の退避勧告を出した。日本はいまだに中国人の出入りは自由だし、12万人いる中国在住の自国民の退避勧告も出していない。日本政府の対応は全く理解できない。
- コロナウイルスは日本にとっても危機だが、衛生的でルールに従う国民性を発揮して、早期に収束させれば、世界に手本を示せるチャンスでもある。
- 日本の良さを示す良い機会にすべきだ。
- 中国人が多数進出しているアフリカでも拡大がひそかに進んでいるのではないか。
- ウイルスは暑さと湿気に弱いので、アフリカでは拡大しないのではないか。
- コロナより、地震の心配をすべきだという意見もある。
- マスコミも政府も少しは国益を考えてほしい。桜を見る会で騒いでいるときではないだろう。
- 大学紛争の時代などには就職先はマスコミか、学校の先生しかなかった。
- 政府、マスコミは中国政府、WHOの声明を伝えるだけでなく、中国の実情はどうなっているのか、どこまで把握できているのか、実態を国民に知らせるべきである。
- 一帯一路は中国のヒト、モノ、および人民元を使わせる政策。中国の利益にしかならない事がわかって、各国から嫌われだしている。